たった一つ出来る親孝行

開店前、父の髪を切りに実家まで行ってきた。
齢八十を過ぎているので、もしかしたらこれが最後かも……
って思いで、いつもカット後に写真を撮っている。
今回は笑顔を要求した。
苦虫を噛み潰したような顔って形容が実に似合う父ではあったが、近頃はおっとり穏やかな好々爺へと変貌。
仏さんのような微笑みを魅せてくれちゃって、少しだけ、ほんのちょっとだけグッと来た。
会話も必要最低限。
あれだけ鬱陶しかった説教ももうない。
そうそう。
父は来月、生まれ故郷に行くらしい。
叔父さん(父の兄さん、父は四男坊で連れて行ってくれるのは長男。)も付き添ってくれるそうだ。
以前「最近はよく子供の頃を思い出すんだ……海とか川とか山とか学校とかさ……」だなんて呟く父に「僕が連れてってあげるよ!」だなんて大見得を切った自分が恥ずかしいが、ともあれ良かった。
今度髪を切るときに「どうだった?」と訊いてみよう。

四歳半の息子は相変わらず虫に夢中だ。
今朝も幼稚園の行きがけに「オオカマキリを捕まえといて!オスメス一匹ずつね!」とミッションを与えられたのだが、空き時間に探してみたが見つからなかった。
カマキリっつーのは探しても見つからない。
ふとした瞬間に目の前にいきなり現れるのである。
ひょっとしたら人の欲望を察知出来るのかもしんまい。
虫の生態から、人生が垣間見えるときがある。
これって一体なんなのだろうか。

僕は相変わらず音楽に夢中だ。
いい加減そろそろ「音楽大好き宣言」をしても良いんじゃないかと思えてきた。
趣味は音楽鑑賞と云っても過言ではない領域に突入したと自負してもいいんじゃないかと思えるようになってきた。

趣味への無関心、他人に否定的になるっつーのは鬱の症状の一つらしいが、本を読めない、映画を観られない時期ってのはあるが、音楽を聴きたくなくなったことはこの四十六年間の人生で一度もない。
僕がもし音楽を聴けなくなったら……そのときはピンチだな。
さあて。
毎年恒例のんびりモードの九月十月もやっと終了。
これからガシガシ忙しくなって欲しい。

そうそう。
土日のご予約はお早めに。
特に午前をご希望の方は、一週間早く予約を入れてくださっても良いぐらいかと。
生意気&僭越ながら、当日いきなりとなるとご希望に添えないことが多くなってきました。
無理矢理詰め込んでも、お客さんにとっても僕にとってもいいこと一つもありませんので、是非お早めにご連絡ください!
それでは股旅。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です