オッサンの与太話

近頃の若者は……
なんつー物言いは実にオッサンっぽいのであるが、事実オッサンなのでなんの恥じらいもなく語らせてもらう。
ここ最近耳に届いてくる日本人若者バンドの音が魅力的でしょうがない。
特に気に入ったのは、DENIMS と MONO NO AWARE ってバンドで、ホントまあ惚れ惚れしちゃうぐらいだ。
邦楽好きのお客さんが云うには、まだまだいっぱい小生のツボをホワタッと突きまくるバンドがあるそうなので、そのどれもを網羅するとなると気絶しそうになるので、ピンと直感したもの以外は華麗にスルーしたいと思う。

これもまあ不思議なもので、音楽でも何でもかんでも「今、まさにその瞬間」と云う最高のタイミングってのがあるわけで、今ピンと来たものだけ受け止めれば良い。
それ以外をも!と欲張ると激しく疲弊してしまう……ってなことを、小生は四十数年かかってやっと学んだんだった。
若者バンドに共通するのは、そのてらいのなさ。
てらいがないとは、ひけらかさない。気取ったところがない。
(「衒う(てらう)」は、才能や知識を見せびらかすこと)ってこと。

小生が二十代の頃に聴きかじった渋谷系の音楽ってのは、どうにも
「ね?こういう音オシャレじゃない?カッコイイ?こんな音楽好きなのってセンス良いよねー」
って感じが満載で、いやもちろん小生もその真っ只中にいたわけで、もちろん渋谷系大好きなわけだが、今の若者にはそのひけらかせ感がないのがステキング。
彼らはあくまで普通に、極々当たり前に生活の一部のような雰囲気でそんな音を出しているのだ。
表現力も技術も格段に進歩して。
突き抜けているから、聴いててなんだかもどかしい感じもなく、それはもう清々しさすら感じさせるぐらいなのである。
んで、彼らのインタビューなどを読んでいると、ある愕然とする事実に直面する。
彼らの御両親たちってのが、小生とさほど変わらない年齢なのだ。
なんかもう「んもうっ!」って気分だ。
そんなわけで、今回はオッサンの与太話に終始させてもらった。
物凄く久しぶりに一人称を「小生」とさせてもらったのは、某お客さんに「テッペーさんの日記の ‘小生’ ってのが好きで、自分のブログでも時折使っているんです……」と言われたからである。
書いてて、なんだかムズ痒いのだが、今回のオッサンの与太話に相応しいなと思ったので、カムバックさせてみた。
元ネタは、もちろん町田康で、その華麗なるパクりなのであるが、そこらへんの柔軟さを持っていた三十代の自分への憧憬も含めてのものだ。
今後も、若者たちの奏でる音に耳を澄ませていきたいと思う。
なんつって。
DOODLIN’ BARBER SHOP 店主

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