今日も流れ転がっている

来春に医療施設を開院予定のお客さんに 、
“待合で流す音楽を選曲していただきたい”
とのオファーを
“もちろん仕事として”
と有難い御言葉とともにいただきました。これは自分が今までやってきたこと、続けてきたことの一つの成果ではないかと。光栄至極なのであります。

二十年来のお付き合いになるお客さんからの要望。感謝の気持ちを込めまくって選曲したい。大まかなイメージも頂戴しました。

ふむ、なるほど。インストのみですか。おおよそ三時間分ですね。院長の音楽の好みも熟知しているつもりだ。よし、何とかなりそうだ。もちろん、音楽好きだけが唸るようなものではダメだ。普段、音楽に耳を傾けないような方々の心が和むような、気持ちが緩むような、そんな選曲を心がけなくてはな。

待合室で流す音楽にこだわりを持つ医療施設。コレは圧倒的個性の一つになると思うのです。きっと在り来たりの医院ではなくなることでしょう。頑張っちゃうぞ。いや、ほどほどに力を抜いて、さらりとやってのけよう。これもまた、私の仕事である。ググッと静かに燃えているのである。

《余談》
今朝、ふと宮本輝が自身のライフワーク的作品である『流転の海』の主人公 松坂熊吾(作者の父がモデル)が息子に言って聞かせる “人生にとって大事なこと” を思い出したのです。
以下がその六つ。

「約束は守らにゃあいけん」
「丁寧な言葉を正しく喋れにゃあいけん」
「弱いものをいじめちゃあいけん」
「自尊心より大切なものを持って生きにゃあいけん」
「女とケンカをしちゃあいけん」
「なにがどうなろうと、たいしたことはあらせん」

何だかとても響きましたね。借り物の言葉になりますが、私も息子に伝えたいなと思ったのでした。

股旅。

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