だからこそ読む

ふと思いついて『はだしのゲン』を再読することにした。
小学校の学級文庫棚にあったのを読んだ以来だから、四十年ぶりくらいになるのか。

当時、それはもう猛烈な衝撃を受けたのを覚えているし、原爆だとか戦争だとかに対する私の基本的な考え方、向き合い方に影響を与えたのかもな〜とページをめくりながら逡巡した。

全十巻で、今七巻の途中まで読み進めたのだが、正直、気が滅入ってきた。
それは残酷な描写だけではなく、戦争そのものと原爆を落としたアメリカだけでなく、日本人に対する怒りがそこに徹底的に描かれているからかもしんまい。

まぁホントしょうもない日本人が次々と出てくる。
腹立たしくてしょうがない。
心底ムカつかされる。
で、なんでその人達がヒトデナシになったか。
その原因は戦争と、敗戦から生じた貧困のせいだという作者のメッセージが叩きつけられているのだ。

私の記憶は七巻の途中以降からは途切れている。
きっと、この辺りで「もういいやー」とヤングテッペーは投げ出したのだろう。
でも、今の私は、来年五十路に突入する私は、ちょいと、いやかなりキツいが、踏ん張って最後まで読むぜ。

噂では後半は、かなり偏った作者の考えが描写されているらしい。
それが原因で図書館 & 図書室から『はだしのゲン』が消えたらしいとも聞いている。
ううむ……面倒くさそうだ。

だけどもだけど!
だから読む。
だからこそ、読まねばと思っている。
四十年ぶりに読む『はだしのゲン』よ。
私の心の奥底に爪痕を刻み込んでおくれ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です