優しいから好きなんだ

1000円のエコバッグを買ったとして、元を取るにはレジ袋一枚3円と考えると買い物333回分なのだよ……どう?

と得意げに話している人をテレビで見かけた。
こういう違った角度から物事を見るって、大切なことだろうし、初めて聞いたときはガビーン!マジか!
となるけど、なんだかちょっと寂しくなるのは何故だろう。
なんだか胸に冷たい風がピューと吹き抜けで行くのだ。

いや、それって肝心なのはそこじゃないんじゃない?
そこも大事だけどさ……
と思うのだ。
それを言っちゃおしまいなんじゃ?
ってヤツだ。

こういう気分になったとき、私は妙にパンクロックが聴きたくなるのである。
10代の頃からずっと聴いている反逆の音楽だ。

あの頃は、Don’t Trust Over Thirty!なんつって、ムーンライダーズを爆音で聴いていた。
そんな痛々しいヤングボーイだった私もいつの間にやら図々しくも半世紀を生きようとしている床屋のオッサンになり、今となっては、むしろ Don’t Trust Under Thirty だぜと吠えているのだから人間なんて、やはりラララだ。

見渡せば、自身の容姿も含め、あの頃と圧倒的に変わってしまったことばかりだが、頑なに全然変わらない、変わろうともしないものが芯の部分にあったりもする。
何か寂しい気持ちになったときパンクロックを聴きたくなるのも、あの青春時代の名残りだ。
パンクが脳内で流れた瞬間、私はあの日あの時に一瞬で立ち返れるのだ。

でも歳を重ねてわかったことがある。
それは年齢は関係ないなってこと。
私が寂しくなってしまうようなことをドヤ顔で宣う輩は老若男女問わずいるよなってこと。

まぁだからどうした?
って話なんだが、私はこういう無駄話が大好物なのである。
無駄話をするために生きていると言っても過言ではないくらいに。

パンクロック、優しいから好きです。

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