その向こうにあるもの

ぼんやりTVを眺めてたら

「好きな映画は?」と訊かれて、いつも答えに窮するのです。
ベストな答えは何ですかね?

とタレントさんが話してて、確かにそうだな……自分だったら何と答えるのがイイかな……と考え込んだんだった。

「う〜ん……オレだったら何がイイかな?」

と妻さんに訊いたら

「マッドマックスじゃない?」

と即答されて「それだっ!」と思った。

まさにベストアンサー!
あくまで自分的にだが、妙にマニアックなものを言うより、やけにメジャーなものにするより、ベリー最高にちょうどイイ塩梅のチョイスと言えるのではないかな。

パパパッと頭に浮かんだ『ノーカントリー』とか『イングロリアス・バスターズ』とか『ファイト・クラブ』とかを出したら、さては頭おかしいんじゃないか?略してアタオカ?と疑われそうだし、

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』とか宣ったら、はは〜ん、イイ人と思われたいんだね?ごっつぁんです!と思われるだろうし、『アンダーグラウンド』なんて言ったら、狙い過ぎだしね。

『マッドマックス』
五十歳、健康優良不良中年としては、これが名答だなと。
全てがちょうどイイ具合に収まるもんな。

カッコつけてる感じもないし、実際少年時代から大好きだし、今観ても何度観てもズキズキワクワクするし、ちょっとバカそうだし、そのふざけたパンキッシュなテンションも、自分が他者にそう思われたいって意思が加味されているってのも感じる。
これだな。
うん、これだ。
これしかない。

で、八歳息子にも是非観せたいんだぜ!
と鼻息荒くなってたのだが、冒頭から無情の「R-15」の文字が踊ってて、歯が全部抜けた。

窮屈だな……

寒い時代だとは思わんかね。
その向こうに面白い何か、ワクワク興奮させる何かがあるのに、どんどん壁が作られていく。

しょうがないからパンク聴くわ。 

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