ダンス・イン・ザ・バーバー

コンビニの入口に
「ドアを開け放しにしないでください。セミ、カブトムシ、クワガタがすぐに入って来ますので!」
と書かれた紙が何枚も貼られてて、それもう切実な問題なのだなと感じた。
と同時に、
「誰かの宝物が、誰かにとってはガラクタになったりするんだよね〜」
ってお客さんが言ってたのを思い出した。
セミはちょっとアレだが、カブトムシ or クワガタがうちの店に飛び込んで来たら、息子は狂喜乱舞するに違いない。ごめん、ちょっとだけ嘘ついた。狂喜乱舞するのは私である。

ジャネーの法則というのを御存知だろうか?哲学者のジャネが発案した「感じられる時間の長さは、年齢と反比例の関係にあるよね〜」という法則である。

10歳の1年は全人生の10分の1だけど、50歳の1年は全人生の50分の1だろ?つまり、50歳の1年は10歳の5倍も早く感じられてしまうのさ……

ってことらしいのだが、これって結構 案外その通りかも!と思ったんだった。

授業間のたった10分の休憩時間でも全力で遊ぶ子供達。しかし、50歳の私が10分休憩を与えられても、そっか休憩か休憩か……そうかそうかふむふむ……とお茶を一口飲んだら……残り2分?マジか!?となるのがオチである。

でも、この法則に当てはめると、5倍の50分休憩を与えられたら、こんな50歳のオッサンでも、それなりに有意義にその時間を使うんじゃないか?と思うのだ。

小学3年生の息子は現在8歳5ヶ月。つまり私は彼の6倍の早さで時間を感じている……ってことか。なんだかスペクタクルだな。どうせならポジティブに考えた方が良いだろう。歳を重ねたならではの、良いことがたくさんあるはずだろうし。

最近の店内ヘビーローテーションBGMは、ボブ・マーリー&ザ・ウェイラーズの『Catch A Fire -Original Jamaican Versions』。英国でリリースされたバージョンに施されたギター、オルガンのオーヴァー・ダブが排除され、よりタイトでシンプルで無骨な印象。オーヴァー・ダブが無駄だったとは思わないけど、なんかこう、今の世界こういうのが求められているような気がする。なんだかやけに妙にハマったのは偶然ではないはず。

で、今とても楽しく読み進めているのは元銀杏BOYZ のギタリストだったチン中村さんの『ダンス・イン・ザ・ファーム』。バンド脱退後に山口県の周防大島に移住し、農業に取り組みながら僧侶として暮らす日々を綴ったエッセイである。これまた、今の自分に妙にハマったのだった。

ハマるというか、ストンと腑に落ちる感じ。こういうのを追い求めて、日々を過ごせたらと思う。で、そういうものは探せば結構あるもので、まずは探すことが、探そうって気持ちを持つことが大事なんだなと思うのである。なんつって。

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