自問自答の末そう結論した

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ふと思いついて、早朝にぼんやりと移転直前に撮った写真をながめていた。
 
これがこうなって、ああなって、こうなるのか……
 
たかだか二年弱ではあるが感慨深い。
 
人生の先輩方に耳にタコが出来るぐらい聞かされてはいたが、本当に時が経つのが年々早く感じられるようになっている。
たかだか二年などと言っているが、子供の頃の二年なんて果てしなく長く感じたものだ。
 
何を始めるにも遅すぎるってことはないんだぜ……
 
だなんて言葉は、希望を胸いっぱいに突き詰めればそうであるのかもしれないが、実際は無慈悲なタイムリミットがあるっつーのが圧倒的リアルなのである。
 
ここは「圧倒的現実」と書いてもよかったのだが、出川哲朗先輩が多用する「リアルに〜」が、なぜだか好きなので使った。
先輩の使う「リアルガチ」って表現も好きなのだが、素人さんがテレビなどで「ガチで〜」とか言っているのを見るとチリチリする。
そこに相撲やプロレスへの愛がちょっとでも感じられるのならイイんだけども、圧倒的にそれが微塵も感じられない場合が多いからキリキリする。
 
何を小さいことを言っているのだね、床屋のおやじさんよ!
 
と後ろ指さされようとも全然構わない。
こういう小さいことをクドクド言っていこうぜ!
と、さっき自問自答の末結論したからだ。
 
 
話は変わるが、今夢中になって観ているテレビ番組が二つある。
キーワード録画予約までして、再放送も含め毎回決して見逃さないようにしている。
この二つの番組は僕の中にズカズカ土足で入り込んできて、大暴れして、嵐のように通り過ぎていく。
しかし、その後味は極めて爽快。
ときにグッサグサと心身をえぐられるけど、それもまた痛みを存分に伴って痛快なのである。
そして観終わった後、なんだか人に優しくしたいなぁ、優しくありたいなぁと思えるのだ。
そんなすごい番組今まであったのか?
あったのだろうけども、僕は出会えてなかった。
 
 
しかし敢えてその番組名はココには書かない。
以前の僕だったら得意げにゲへヘーなんつって、書いていたのだが、もう書かない。
これも今さっき自問自答の末結論したからだ。
 
 
それより何より話そうじゃないか。
髪を切りながら押し黙って静かに音楽に耳を傾ける……
そんな仕事っぷりに憧れる思いもあるけれども、僕はやっぱり話したい。
わざわざ、この所沢のチベットと言われる三ヶ島まで足を運んでくれるお客さんたちと喋りたいのである。
 
 
お客さんたちから学ぶことがたくさんある。
その分、僕からも何か得て欲しい。
そのために、本読んだり、映画観たり、音楽聴いたりしてると言っても過言ではない。多分。
 
 
結局、僕にはそんな店しか出来ないのである。
たった今、これを書いているうちにそう結論したのだ。
 
 
DOODLIN’ BARBER SHOP。
四十六歳のおっさんが、たった一人で、たった一つの床屋椅子でやってます。
イイ音楽、時々、おっさんのしょうもない話。
そんな感じの店です。
どうぞよろしくお願いいたします。
 
 
DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 拝

質のよい傲慢さか……

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店前フェンスに設置したプライスボードが、狭山丘陵十八番の強風にデストロイされてしまったので、空き時間に福生までブロロンと走り、もう一つのレターボードを買ってきた。
 
さて付け替え変えましょうかね……と作業に入ったのだが
「ん?これをこうしてこうすればイケるんじゃね?もしかして?」
とナイスアイデアが閃き、やってみたら見事修復完了。
 
こうなると、せっかくゲットしたレターボードが御役目御免となるわけで、さてどうする……と思案してみたのだが、結局出てきたのは、DOODLIN’ BARBER SHOP ではこういう音楽を流してますよ〜的なのを作るかっつー極々平々凡々なアイデアしかなく、んじゃまあしゃあないな、それでいいやと地道にせせと作ってみた。
 
でも、これが作り出してみると楽しい。
音楽のジャンルを表す言葉ってのは魅力的な響きを持っているもんだなとあらためて感嘆。
そのスペルも造形的に収まりが良いから面白い。
特にジャンルってものに拘ることなく、自分の感覚だけで「好き」を信じてやれているんだな〜ルルルラララと実感出来た。
 
こんなの店壁に掲げていても「ふ〜ん、そうなんだ!」と受け止めてくれる方なんてほとんどいないだろうけども、なんだか店の裏コンセプトを表しているようだし、店主自身が大いに満足しているのだから、ならば全て良し良しだ。
 
ジャズが似合う店にしたい、そんな店の店主になりたいって願いを込めて屋号に、大好きなジャズの曲名「DOODLIN’」を入れたのだが、ご覧の通り、その正体はゴチャ混ぜミクスチャーのオルタナティブ野郎なのだが、でも、そうではあっても自分的には一本ビシッと筋が通っているつもりだ。
 
 
後は、これが他の誰からも、その極太の一本筋が見えるようになるよう日々精進鍛錬だ。
 
 
ふと新藤兼人監督の言葉が浮かんだので、ここに記す。
 
 
「僕は映画を作っている若い人に、こんな風に言うんです。
シナリオを書いて、ダメだと言われた時に、自分でダメだと思わないで、いいシナリオなんだけど人が見損なっているんだ、というふうに思ってくれと。
自分で自分を負けに追い込むようなことを思わないでくれ、自分の才能は優れているんだ、そのうちいいものが書けるんだと思ってくれ、と。
 
シナリオがダメだと言われたときに、自分が落ち込まないようにするための枷をちゃんとつくりなさい。
才能がないと誰かに言われても、自分は自分が思っているだけのものを持っているんだから、人にないものを持っているに違いないんだから、それを信じなさい、それは思い上がりじゃない。
 
人が持ち上げてくれるわけはないから自分で自分を持ち上げる。
そういう質のよい傲慢さというものが必要なんじゃないか……」
 
 
 
それでは股旅。

まぁそれはそれでいいかな

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どうもこんばんは。
怒涛のGWを乗り越えてホッと尻を撫で下ろしているところです。
 
 
床屋稼業を続けている限り、この怒涛のGWは避けることの出来ない稼ぎどきなわけで、
息子を何処にも連れて行ってあげられないことを思うと胸がチクチク痛むわけですが、そう思いつつも、何処行っても人人人の大洪水だろうし、まぁそれはそれでいいかな〜とも思うわけです。
 
 
近頃またよく映画を観られてます。
本も、まぁ読めてます。
音楽も言わずもがな貪欲に貪っています。
 
 
映画は、録りためたものを順に観て行くのに手一杯で、レンタルなんぞはとんとしてないのですが、妻さんの本棚でこの本『シネマ90s』を見つけてペラペラめくってたら久しぶりに観たいな〜って思う作品の目白押しで、少しだけ血湧き肉躍ったのでした。
 
 
ふと気まぐれに、その本でピックアップされている90年代の作品の中から、DOODLIN’ BARBER SHOP 店主的「これは観といた方がいいんじゃないっすか!」な十本をナイスチョイスしようと思い立ち、選び始めたのですが、これがなかなか難しい。
悩みに悩み、惑いに迷った末に結局十本に絞り切れなかったのですが、まぁそれはそれでいいかな〜と開き直っておきました。
 
 
以下が、その十二本。
どれも、もちろん大好きなのですが、重要な共通項を見つけてしまいました。
それは、どれもオリジナルサウンドトラックが素晴らしいこと。
そして、そのほとんどのサントラ盤を自分が持っていることに気づいたのでした。
これまた、ほんの少し血湧き肉躍りました。
 
 
『マイ・プライベート・アイダホ』
『デリカテッセン』
『許されざる者』
『セブン』
『デッドマン・ウォーキング』
『ファーゴ』
『L.A.コンフィデンシャル』
『グッド・ウィルハンティング』
『ガタカ』
『恋愛小説家』
『ファイト・クラブ』
『ハイ・フィデリティ』
 
 
こうやって並べてみると、安直な感じだし、軽薄な感じもするし、なんだか恥ずかしくもなるのですが、どれも素晴らしい傑作名作マスターピース。
 
 
いやぁ、映画って本当にいいもんですね〜
 
 
音楽は、つい先日GW中に、僕の誕生日が爆発的にさりげなくあって、幾人かのお客さんが気まぐれにCDやレコードをくれたりしてホクホクだったのでした。
 
高校時代からの友人カワサキくんがくれたジャッキー・ミットゥ。
かなり長いお付き合いになるお客さんがくれたプレインソング。
そして、後輩がくれた toe のレコード。
 
それから、妻さんに戴いた映画『海よりもまだ深く』のBlu-ray と、その主題歌が収められたハナレグミのミニアルバム。
 
 
どれも素晴らしくてナイスチョイスでありました。
どうもありがとうございます‼︎
 
 
46歳になって、いよいよ四十路後半に突入したわけで、それを思い我が身を振り返ると「これで……いいのか?」と思うのですが、「オレって大人だなぁイェーイ!」
だなんて人はきっといないだろうし、それぞれみんな迷い惑い行き詰まり息詰まり開き直り生きているんじゃないかなぁと思うので、あまり気にしないようにします。
 
 
それでもやっぱり誕生日ってのはいいもんですね。
 
 
明日は定休日。
積極的に休もうと思います。
 
 
股旅。

果たしてどうなのだろうか

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ふと思い出した。
 
そういえば、二年前の移転時。
この DOODLIN’ BARBER SHOPを “どこの国のどの時代にいるのかわからなくなるような空間” にしたいんだなんて決意していたんだった。
 
二年経ってどうなんだろうか……
果たして自分が望んだような店になってきて
いるのだろうか。
正直、自分の店を客観的に全然見ることが出来ない。
 
そういえば、映画「そして父になる」の公開時。
是枝監督のインタビューを読んで、撮影はしたけど使われなかった「子育てはピッチャーじゃなくてキャッチャーなんだ」ってセリフがあったことを知り、ふむふむ……だなんて大いに感銘を受けたんだった。
 
それから四年経って、果たしてどうなんだろうか……。
息子にアレコレ所構わず投げつけてばかりしていやしないだろうか。
バシバシ息子が投げてくる直球も変化球もスローボールも、逃げずにキャッチ出来ているだろうか。
時には、巧みなリードで、息子を導いてあげているだろうか。
うんにゃ、導いてあげているだなんて、烏滸がましいことをほざいているようじゃ、まだまだだっつーことか。
 
あれが最初で最後のチャンスだったと勝手に決めつけて、勝手にとぼとぼとポケットに手を納めてしまってはいないか……。
実力が足りないことを棚に上げ、図々しく “スランプ” などと口にしては芝居がかった苦笑いを浮かべてはいないか……。
 
何しろ、自分を客観的に見られないオッサンなもんだから、よくわからない。
どうなんだろうか……
 
そんなわけで、まぁともかく是枝監督の『海よりもまだ深く』が、とんでもなく素晴らしかったんだった。
こういう作品を作り出せる映画監督が日本にいることを誇りに思う。
 
思い出した。
私の店 DOODLIN’ BARBER SHOP に来てくださっているお客様方が、うちの店を選んだことを誇りに思ってくれるような、そんな店にしたいんだぜ!って思い上がった目標もあったんだった。
果たして、そんな店になってきているのだろうか……
 
だけどもだけど!少なくとも私は、我が DOODLIN’ BARBER SHOP に来てくださっている皆様方を誇りに思っております!
ありがとうございます。
 
それでは股旅。

すばらしくて NICE CHOICE な瞬間

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五月一日っつーことで、帽子の衣替えをしました。
十三年前、DOODLIN’ BARBER SHOP を開店したときに、自分のトレードマークになればとちょっと背伸びをしてオーダーしたパナマ帽。
来年ぐらいにまたメンテナンスに出せば、まだまだ冠れそうです。
大事にして二十年はもたせようと思っております。

半年ほど前に注文していたチューバッカのフィギュアがいきなり届いて驚いたのです。
スッカリ忘れていたからです。
息子がチューバッカが好きなので注文したんだったんだったん。
けれども、それを見るなり「開けて!」とせがみ、しぶしぶ開けると激しいポージングの嵐。
瞬く間に一部破損されて白目になったのは言うまでもないです。
息子のためにと注文したはずなのに、これじゃあ本末転倒。
いたしかたない。
もう諦めて好きなように遊ばせます。
ふ〜首チョンパする日も近いだろうて。
は〜

五月が近づくとフィッシュマンズを聴きたくなるのはなぜなのでしょうか。
長年聴いていますが、生活の要所要所でフィッシュマンズがそっと脳内で流れていることがよくあるのです。
僕がよく使う「ナイスチョイス」と言う言葉も、アルバム『空中キャンプ』に収録されている大好きな一曲「すばらしくて NICE CHOICE」からの引用なのです。
この『空中キャンプ』をレコードで聴く喜び。
たまらんもんです。

二年前、この所沢市三ヶ島に移転する際。
ロゴデザインをしてくれた長友くんと、当店の備品や僕が身につけているものなどを購入させていただいている京都の園芸店『LIFETIME』店主である説田さんの協力を得て制作したWORKS & LABO. (LIFETIMEのストアブランドして日本の職人による伝統と技術や、選び抜かれたこだわりの素材を活かしたもの作り(=WORKS)に取り組み、正統的・伝統的な園芸文化に対して二次的な側面を担う「園芸サブカルチャー」を追求(=LABO.)しているさまざまなジャンルのクリエーターと交流を深め、業界を超えて「植物のある暮らし」の魅力を提案する農園芸レーベル)とのコラボTシャツを移転二周年ってことで、新色で復刻することになりました。

あんな色もいいな、こんな色もいいな〜と気も漫ろなわけですが、どうにか配色を決定し、来月十六日の移転記念日までに皆様の元にお届けしたいと思っております。

予告しておきますが、相当良い代物が出来ますよ。
是非とも遠慮なくガッシガシ期待して欲しいです。

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 拝