緩り緩やか

当店の近くにあるお茶屋さんで買った緑茶がとても美味しくて、痺れて驚いて嬉しかったのです。

此処に移転して来て7年半も経つというのに今更感がハンパないのですが、ほらあれ“灯台下暗し”ってヤツです。多分。

身近にある良いものに気づくことなく、此処じゃない何処かに憧れて、遠くばかり見つめがちなエブリデイですが、ふと立ち止まって周りを見渡すハート&ソウルは忘れないようにしたいものです。

で、このお茶。
巨匠、宮崎駿先生が監修した本『トトロの生まれたところ』の中の宮崎監督の奥様作の挿絵にも描かれている茶園で作られたもので、なんだか、こんな美味しい気品溢れるお茶が作られていることが、こういう場所のすぐ近くで暮らしていることが、ちょっと誇らしいなってね。
ちょっとだけ感じたんです。
ほんのちょっとね。

この茶畑や狭山丘陵の緑&起伏ある土地が、自分の中では当たり前の風景だったのですが、当たり前じゃないんだなぁと、今更ながらしみじみ実感している次第であります。
押忍。

師走ってことで、恒例となった“今年の漢字”が発表されましたね。
『戦』ってことだそうで、まぁそうなんだろうな〜とぼんやりとは納得しますが、自分的にはかなり遠くな感がありますね『戦』には。

じゃあ、自分の今年の漢字は……って考えてみて、うんこれだな!ってジャストフィットしたのは『緩』でした。
いろいろ様々『緩』だったなぁ。

緩くなったし、緩かったし、緩いし、緩やかだったと思います。
ポジティブでもネガティブでも。
イイ意味でも悪い意味でもありますが、良い兆し、良い暗示ではないかと自分的には感じております。
おめでたいことにね。

そんな私の一年を物語るに相応しい今年のレコードアルバムは、マヒトゥ・ザ・ピーポーの『不完全なけもの』だなと、今ピンと来まくったところです。
うん、これだな。
凄くいっぱい聴いたし、自分の生活にも溶け込んでたし、ずっと脳内で流れ続けていたもんな。
三年前にリリースされたアルバムだけれどもね。

この一年を物語る本と映画とプラモも選出してみよう。
楽しそうだし。

それでは股旅。

君は新しい景色を見たか

12月7日と言えば、トム・ウェイツ先輩の誕生日(72歳!)であり、そして明日の8日はジョン・レノン師の命日であって、毎年この日が来ることによって、私は師走をしみじみ実感するのである。

そんなわけだから、必然今日はトム・ウェイツの深い歌声が店内に響き、明日はジョン・レノンの優しい歌声が流れ、こうしてDOODLIN’ BARBER SHOP 的年末がスタートするのである。

店前の もみの木にも飾りが施され、クリスマスケーキと餅の予約も完了。
年末の課題図書『定本 レッド 1969-1972』(山本直樹 著)もゲットしたし、準備は着々と進められている……ような気がしている。

どうにか時間を見つけて映画『THE FIRST SLAM DUNK』を観に行けたらな〜とか、抽選に応募したプラモが当たらないかな〜とか、『青春 少年マガジン 1978〜1983』(小林まこと 著)が面白かったな〜とか、海外ドラマ『ベター・コール・ソウル』の続きが観たいな〜とか、そんなユルいこともぼんやり考えている。

だから、まぁつまり私 & DOODLIN’の日常はとりあえず上々だってことである。
フィルソグー。

W杯に関しては、書きたいことが沢山あるのだが、まとまらないのでやめておく。
日本代表には大満足だし、全く文句はない。
PKが、運か実力かって件に関しての、僕的意見としては、「それはどっちも!」である。
W杯の舞台なら、それは尚更だと思う。

世界のトッププレイヤー達が外してしまう場面を幾度も見てきた。
圧倒的に強いと言われるチームがPK戦で敗退してしまうことも沢山ある。

日本代表、スゲー頑張っていた。
あれだけやって、PK戦で敗退してしまうのは、悔しいが、これはもうしょうがないことなのだ。

青春時代に、自分なりにサッカーに情熱を燃やしていたつもりの床屋のオッサンはそう思う。
もう一度言おう。
サッカー日本代表、最高でした。
ありがとう!

ソワソワしてきた

なんだかジワジワと年末めいた空気感が満ちてきましたね。

いろいろと、アレやらなきゃコレやらなきゃと頭はグルグルローリンし始めてはいるのですが、のんびりとした空気感も横たわっているせいで、ジタバタするなよホコリが立つぜって塩梅で日々を流してしまっています。
まぁ、これもまた良し!ってことで。

敬愛するアーティストの方が、こんなことを言っていたのです。

“写真、絵、ポストカード、手紙、フライヤー、包装紙、落書きなどなど、お気に入りのビジュアルが飾ってある部屋が好きです。

場所を決めて丁寧に壁に飾ってる部屋も素敵ですが、飾る場所もないのに勢いで買ってしまったのか?
あるいは買ったことに満足してなかなか飾らずにいるのか?

床に何枚も絵が立てかけてある部屋が特に好きです。
箱に入ったままだったり、おそらくポスターが入っているであろう筒が乱雑に隅に置いてある部屋もグッときます。
絵がある部屋は本当に素敵だと思います……”

この感じ方、考え方、思い方、とても共感いたします。(ここに更にレコードジャケットも加われば尚更グッド )
しかし僕の場合は、致命的なことに、そこに確かな “信念” ってのがないもんですから、妻さんにイエローカードを出されてばかり。
どうしたら、気持ちよくまとまるのか、そんな課題に追われまくりのエブリデイを忙しく過ごしているわけで、それがまた結構楽しいんだからフィルソグーなわけなのです。

W杯の話題にはあえて触れずに、華麗に去ります。
では股旅。

現在 (いま)がどんなにやるせなくても 明日は今日より素晴らしい……

先日鑑賞した映画のエンディングで流れた曲のフレーズ

♪ 現在 (いま)がどんなにやるせなくても 明日は今日より素晴らしい……♪

がやけに頭をグルグル廻っていまして。
切ない終わり方をした物語でも、その後に流れる曲によって希望を持たせられるんだなぁ……
などと、しみじみ感心させられている小雨模様の火曜日の朝です。

親愛なる皆々様方はいかがお過ごしでしょうか?
僕は元気です。
レットイットビー。

先日、長年「いつかDOODLIN’ BARBER SHOPに行ってみたいぜ!」と思っていながら、なかなかそのチャンスを作れなかった方が満を持して訪れてくれまして。

イメージ通りでしたか?
と訊ねたら

「想像してた以上におもちゃ箱でした。
何度も通って少しずつ触れていくべき店だと感じました……」

だなんて嬉しい褒め言葉をいただきました。
ありがとうございます。

僕が大好きなダフト・パンクのアルバム。『Discovery』は、ダフト・パンクの二人が子どもの頃に夢中になったアレやコレやをギュッと詰め込んだものなんだって何かの記事で言ってたのを読んでから、漠然と自分もそういう空間、店を作ってみたいな〜と思ってたのです。実は。

自分が好きなものしか置かない……

そんなのはコンセプトだなんて到底言えないし、下手したら、いや、下手しなくても、ちょっと痛いくらいなんですが、自分の店なんだから、少しはワガママにやりたいじゃないですか。

流行っているから
評判だから
ウケるから

そういうのはヤングマンたちにお任せして、床屋のオッサンはゴーイングマイウェイ。
このまま行くしかないですよね。
ゴーアヘッドです!

今日はおやすみ。
外は雨だし、店の掃除して、プラモ作ります。

股旅。

これでもちゃんと学んでいるのである

近頃、少年時代にどっぷりハマっていたプラモデル熱が再燃しているのです。

自ずと、仕事している最中の会話もプラモデル関連の話題がついつい出てしまうのですが、我がDOODLIN’ BARBER SHOP のお客さんたちが、これまたかつてのプラモ小僧だった方々が沢山いらっしゃいましてね。

私と同じように、

模型屋やプラモデル売り場があればフラフラと寄ってしまい、いつか作るんだぜと意気込んで買ってしまい、でも作るチャンスもないまま棚に積まれ、押し入れの奥に入れられたままほ、十数年経ってしまったじゃないか!

って方々ばかりなんですね。
それはもう“me too” の嵐なわけです。

で、

十数年そのままだったものが、これから作れるようになる気も全然しないし、それなら床屋のオッサンにあげてしまおう!
息子さんも一緒にハマりまくってるみたいだしね!

って展開が相次いでましてね。
でいただくからには、誠心誠意込めて作らなきゃとせっせと精を出しているわけです。
最高ですよ、全くもう。

写真の1/100 MG アッガイもまた お客さんからいただいたもので、(私は水陸両用モビルスーツは自由に楽しく塗りたい派)はてさてどんな色にしようかな〜と思案していたら、息子が「床屋の色にしなよ!」と熱い提案をしてくれまして。

それは良いぜ!

と塗ってみたのでした。

私的には、会心の出来ですよ。
作って楽しいし、見て楽しいのだからムテキング。
このアッガイのキットをくれたあのお客さんも喜んでいただけることでしょう。

思い返せば、レコードでも同じようなことがよくあります。
聴かなくなったレコードを、うちの店に持ってきてくれるお客さんたちがいるんです。

この床屋のオッサンに渡しておけば……

って似通った思いがそこにあるんでしょうね。
多分きっと。

たかだかプラモデルと侮るなかれ。
私はプラモデル制作を通して、たくさんのことを学んでおりますよ。

忘れていた何か。
新しい発見。
あらためて感じ入る大切なこと。

プラモデルが教えてくれてます。
ありがとう、プラモ!
プラモデルをくださった方々、どうもありがとうございます!