ノスタルジーに溺れて

10代の頃からずっとずっと好きだったThe Pogues のフロントマン シェイン・マガウアン が死んでしまった。

いやそれはもう生きているのが奇跡みたいな人で、いつ死んでもおかしくない感じではあったのだが、実際に訃報にふれると切ない。
やたら切ない。
享年65歳。
それが早いような遅いような、そんな人だった。
合掌。

じゃあ、今日は一日中ポーグスをBGMに仕事をしよう!

と決めていたのだが、早々にギブアップ。
なにしろ切ないからだ。

それじゃあ、代わりにこれを聴こうとちょうど同時期に夢中で聴いていたボアダムズをナイスチョイス!

なわけなくて、狂気に満ち満ち過ぎてて、お客さんがいらっしゃらない時にしか店内で流せないのだけれども、これが猛烈にかっこ良くて驚いている。

当時は、こういうエキセントリックな音楽が好きなオレちゃん!

ってのを必死で演じていた痛々しい若人だったのだが、わかったよ。
今になって、やっとこの格好良さがわかったよ。
これヤバいよ!
それはもう泣けるくらいに。

そんなわけで、今日はThe Pogues と BOREDOMS ばかり聴いている。
全然違う空気感のようで、底辺に漂っているのは同じ匂い。
それはつまり、あの日あの頃の自分と対面しているようで、むず痒く、そして恥ずかしい。

こんな好きなバンド、好きな音楽があって良かったな、あの頃のオレよ。

これからも聴き続けようぜ。

お久しぶりです

実はこの三週間ほど、HPは見られるけども、日記の更新ページにアクセス出来ないって状況が続いていたのです。

困り果てた頃に、このHPを作ってくれた長友くん(当店ロゴやTシャツのデザインなどもやってくれてます)に連絡したらチチンプイプイと復旧してくれて目出度くこうして再び日記が書けるようになりました。
ありがとうございます!

先日、ホームセンターの模型売り場に行った時に品の良い佇まいの老夫婦に声をかけられましてね。

「このプラモデルを作るには接着剤はいるんですか?」

と訊くおばあさんが持っていたのがガンプラだったので、それは接着剤はいらないですよと教えてあげたのでした。

「お孫さんに買ってあげるのですか?」

と私が訊いたら

「違うのよ。私たちが作るの!ボケ防止にね!」

と悪戯っぽく笑うおばあさんはチャーミングでした。

驚きですよね。
こんなご老人がプラモデルを作るっつーんですもの。
しかもガンプラ!
それも HG サザビー!笑

でも確かに良いかも。
確実に脳は活性化すると思いますもの。
私もプラモデル製作を通して、自分の仕事に対する見方が変わったのを感じました。
なんか、今までと違った楽しみ方を見つけたんですよ。
髪を切ってて面白いんです。
カットする際にプラモデルを作っている的アプローチを試みている……っつーと、なんか不真面目に聞こえるかもですが、いたって私は大真面目です。
でも全然上手く説明できないんです。
ごめんなさい。

そんなわけで、今日も日々発見、日々成長、日々落胆。
刺激に満ちたエブリデイであります。

股旅。

やっぱり無知は無恥

聴いた後に良質な短編小説を読んだ後と同じ圧倒的な余韻を感じるような、そんな名曲ありますよね〜ゲヘ〜

例えば?

ゆらゆら帝国 の“フランキー・ティアドロップ”とか、奇妙礼太郎トラベルスイング楽団の “ダンスホール” とか……

とココまで言いかけた瞬間、お客さんから鋭いツッコミが入ったんだったんだったん。

その “ダンスホール” って尾崎豊のカバーっすよ!ケロケロ!

し、し、し、知らなかった!

私は絶句したのでした。
もうね、超名曲だと思ってましたからね。
奇妙礼太郎スンゲー!って鼻息荒くなってましたから。

それが私がずっと背を向け続けて来た尾崎豊の曲だったとは超驚きですよ。

と同時に自分の無知さと超絶ダサさに歯が全部抜けそうです。
ハドゥカシィ!
「無知は恐怖」とはまさにこのことである。

で、今更ながら尾崎豊再評価!

なんてさらにダサいことはしません。
そっと、そっと遠くからスンゲー尾崎!と絶叫しようと思います。

で、しかもこの曲を作ったのが16歳のときだって言うじゃない?
当時話題になった未解決事件の「新宿歌舞伎町ディスコナンパ殺傷事件」をモチーフにしたんですって?
16歳で!?

床屋のオッサン、鳥肌立っちゃいました。

いやはや無知は恐ろしい。そして猛烈に恥ずかしい。けれども、何なんだろうか、この清々しさは。
思いがけず良い感じです。

んじゃ、THE CLASHでも爆音で聴きますわ。

股旅。

その流れに乗ってみる

ちょっとココ最近、やけに私の身辺が断捨離ムードに満ち満ちて来ているのを感じるのです。

自分が読んだ本や聴いたCD。
以前は、これが我が人生、まさにオレのライブラリーなんだぜ!

と鼻息荒く棚などにツラツラと並べていたものなんですが、なんかどうも執着?
そういう思念が薄れて来たのですかね。

いや、むしろ今後に必要なものを選別するステージに入った感じ?

書いてて自分でもチンプンカンプンなのですが、これは多分きっと良い方向に向かい始める兆候に違いないと思っております。

また読むかも!

と思っていた本、まず読まないよね。

これ読んだんだぜ!

それってただの自己アピールだっただけだよね。
だから、持ってなくてもいいよね。
自分がわかってればいいんじゃない?

そんな心境になっているわけです。
それはつまり今後の自分に必要なものが、人が、関係がわかり始めているってことです。
だから全てはオールライトなわけです。

この私が手にしている本『去年の雪』(村岡栄一 著)は、そんな気持ちになり始めていた自分をさらにさらに後押ししてくれました。

もういいかな〜

と感じる物事がある反面、

これこれ!こういうのを待ってたんだよ!

とビンビン思わせてくれる物事との出合いもある。
五十代、いろいろと面白くなって来やがりました。

なんかこうね。
気取らず、気張らず、のほほんと行きたいですね。
まあ、なんつうかよろしくお願い申し上げます。

股旅。

おかげさまで

おはようございます。

本日、10月5日。
我が DOODLIN’ BARBER SHOP は、目出度くも開店19周年を迎えさせていただきました。

これもあれも何もかも、皆々様の暖かいお力添えとご指導とご愛顧と、えっとそれから、ご支援のお蔭と心より御礼申し上げます。
どうもありがとうございます!

灼熱地獄がやっと終わったかしらんと思いきや、急激な気温の低下に少々アップアップしてはおりますが、気合い入れて声出して感謝の気持ちではち切れんばかりに一日を過ごそうと思います。

月日は百代の過客にしてとはよく言ったもので、ホントまあ思い返せばチチンプイプイ。
それはもう、あっと言う間の19年ではございましたが、一言で申せば『まぁいい感じ』に尽きるわけで、それ即ちナイスな19年間だったと自負しております。

“19” と云えば、言わずもがなポール・ハードキャッスルの曲『19』を思い出してしまうわけです。
これは、アメリカのベトナム戦争従軍兵の平均年齢が19歳だったことを表しているのですが、この曲がリリースされた1985年に14歳だった私は、その事実に戦慄したことを強烈に覚えてまして。
でも別に、この曲が好きだったわけでもなく、何故か不思議と心に残っているのです。
こういうことってありません?
で、案外そういうことが、日々を毎日を面白くしてくれてたりしませんか?
どう?

でも、たかがされど19年。
開店当時に生まれたコがすでに19歳になっているわけで、つまり時と場所次第では戦地に赴くハメになってたかも知れないわけで、なんだかちょっと感慨深いわけです。
33歳だった私は52歳になりました。

いろいろたくさん諸々様々ありました。
19周年。
立派です。
応援し支えてくれた妻さん&息子、そして友人たち、お客様、皆々様に感謝感謝です。

今後もどうぞどうぞ DOODLIN’ BARBER SHOP をヨロシクお願いします。

私は今年も目立たぬように、はしゃがぬように、似合わぬことは無理をせず、人の心を見つめつづける。
そんな時代おくれの男になることを目標に日々精進いたしましょうかね。

ともあれ周りに溢れる愛に感謝します。

2023年10月5日
DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平 拝