虹は待つな 橋をかけろ

今日は朝から芝刈りをした。
それからサッチングをしてたら、みるみる気温が上昇してきて、チリチリ肌が焼けるのを感じた。
で、仕上げに水撒き。
すると、人口の虹ができた。
虹をぼんやり眺めてたら、なんとも和んで、なんだか良かった。
これこれ、こういうの良いよねって思った。

その虹を写真に収めて、ブログに使おうかしらん……と思いついたのだが、手元にスマートフォンはない。
わざわざ取りに行って、せーの!なんつって撮っても、なんだかそれは鮮度が低いものになっている気がしたので、ヤメた。
これがアレか。
不粋ってヤツか。

子どもの成長は早いな……
息子が着れなくなったスウェットを見てたら、なんだかしみじみした。
バックプリントがかっこいいな〜と思ったので写真を撮った。
わざとらしくならないように気をつけて。
でも、気をつければ気をつけるほど、わざとらしくなるのよね。
ナチュラルには程遠い。
程遠いから憧れる。
憧れている時点で程遠い。

近頃、本が読めている。
もっぱら、中上健次作品ばかりだが。
中上健次作品は読むとズシーンと来るものばかり。
そのズシーンを求めて読んでいる。
ズシーンが続くとズシーンがちょっと嫌になってくる。
飽きてくる。
そしたらズシーンを止める。

飽きるまで突き詰めてみる。
実はコレって、あまり出来ないことに気付いた。
飽きる以前に夢中にすらなれなかったりする。
飽きられる何かがあるって実は幸福なことだったりなんかしちゃったりして。

子どもの頃は、それが普通なことだったのにな……なんてぼんやり考えながら、いまを生きている。

人はやはり……面白い

息子が巨大な恐竜のおもちゃを買いました。自分のお金、貯めていたお小遣いとお年玉を使ってです。(正確には恐竜ではありません。映画『ジュラシック・ワールド』に登場する人間が作り出したハイブリッド恐竜で、その名は “インドミナス・レックス”)

息子は、自分のお金で買ったことが、とても誇らしく嬉しいようです。学校に行っている間、お店に置いておくから、これを見たお客さんたちの反応を教えて……なんてことを言うので、今、店のソファにはドドーンと息子の巨大な宝物が鎮座しています。

全長96cm。子供のおもちゃの範疇を悠々と超えたドキドキワクワクが止まらないアメージングなデカさです。案の定、お客さんたちのリアクションは大きく、息子にそれを報告したらえらく御満悦のようでした。

ボクはというと「やっぱりオレが求めているのは人間ドラマなんだよな〜」なんつって、映画『楽園』を観たり、その原作である『犯罪小説集』(吉田修一著)を読んだりして、そのシリアスさ加減にゲンナリしちゃったりしています。

人とは……やはり人間なんて……

などと呟きながら、遠い目をしちゃっています。重症です。

この傾向を、まだまだ引きずろうと思っていますので、次なりベリーシリアスなものを只今探索中。欲しているのは人間ドラマ。重厚なのを求めています。

などと言いつつ、ライトでイージーなものも同時に欲している自分がいたりするから不思議です。まあ、ただの気まぐれなんでしょうけど。

人はやはり……面白い。

これまた真面目な話

息子がおもちゃを積み上げて、何やら得意げになっている姿を眺めていたら、漫画「AKIRA」の扉絵を思い出しました。アキラが、ガラクタを集めて作られた玉座に座っている、あの有名なアレです。

子供を見ていると、ふとした瞬間、テレキネシスやサイコキネシスで物体をふうわりフワフワと浮かばせたりしちゃったりするんじゃないかって思ったりするのです。何かきっと超納涼力を持っているに違いない……と感じさせる何かがあるんですよ、これ真面目な話で。

今日は、息子に誘われて家族三人で映画『ドラえもん のび太の新恐竜』を観てきました。正直なところ、全く期待していませんでした。ドラえもんの映画って、うんざりするようなワンパターンのイメージで、今回もまたそうに違いないと勝手に思い込んでいたのですが、それは見事に裏切られました。

これまた真面目な話、今まで観た映画版ドラえもんの中で一番面白かったです。ちょっとこれどうなのよ?と思っていた Mr.Children の主題歌も、劇中で聴いたら、とんでもなく良かったです。テレビ版のエンディングで流れているのとアレンジ違う?と思ったぐらいに、色が違ってました。

ぬ?音の色?音に色って?

って思ったかもですが、あるんですよ、音に色。だってほら「音色」って言葉が古よりあるじゃないですか。これもまた真面目は話で。

なので、さっき息子に「今日はドラえもん観られて良かったよ。誘ってくれてありがとう!」と伝えておきました。そうです。それはもうイイ父親っぽい感じで。

そうそう。息子と本屋に行ったのですが、息子が「これ読んでみたい!」と手に取ったのが、星新一さんの『へんな怪獣』だったのです。きっとタイトルと装丁で選んだんでしょうけども、少年時代に星新一作品を読みあさっていた身としては、この素敵な偶然が嬉しかったのでした。

息子よ、ナイスチョイスだ。真面目な話、これは面白いぞ。

僕が手に取ったのは『犯罪小説集』(吉田修一著)です。そう、映画『楽園』の原作となった実際にあった事件を題材にした短編集です。久々に読み返して涙が止まらなかった『BLUE GIANT』の口直しに読もうと思います。

ともあれ、今日もちゃんと今日でした。

股旅。

だんだんわかった

近頃なんだか『新聞記者』だとか『万引き家族』だとか、ちょっとヘビーなテーマを扱った映画やドキュメンタリーを続け様に観ていたせいか、その後にラストちょっとを残すのみだった『ステップ』(重松清著)を読むことに躊躇しちゃって「でもまあしょうがないから読むか〜」ってササっと読み終えたのだけれども、やはりなんだか物足りなくて、いやはや失敗だった、やっぱり『軽蔑』(中上健次著)を読み始めれば良かったと後悔したんだったんだった。

この『ステップ』。まあ、面白くないわけじゃなくてドンドン読み進められるのだけれども、なんだか読んでて居心地が悪くて、なんでなのかな〜と思っていたのだが、ちょっとその正体がわかったような気がするのです。

その主人公にどうにも共感できない自分がいたのだ。この小説、妻に先立たれた主人公が残された一人娘を大事に大事に育てるっつーとても良い心温まる話なのですが、その父親としての立ち居振る舞いに関しては共感出来るのだけれども、そのキャラクターのバックボーンが見えないっつーかなんちゅうか本中華。

この主人公が、どんな音楽や映画や本が好きなのかが見えてこない。いや、もちろん文中でそんな説明なんてないことがほとんどなんだけれども、なんとなくそういうの見えるんですよ。あ、あるな……って感じで。

でも、重松清作品に出てくる登場人物ってそういうのが全くないことが多い。だから、あまり手に取らなくなってしまったんでしょうね。わかりやすく読みやすくはあるんですよ。とってもイージーでライト。だから奥行きとか深みがないんです。なんなんでしょうね、これ。全然上手く説明できないんですけども。

なんだかね。好きな小説の好きな登場人物って、自分と好きな音楽とか重なっているような、そんな気がするんです。『万引き家族』のリリー・フランキーさん演じる主人公もね、これは映画ですが、劇中で全然語られやしないのですが、なんだかひょっとしたらパンクとかソウルとかブルーズとか好きそうだな〜って。いや、ジャンルなんてなんでもイイんですよ。

この人はきっと、何かそういうものに寄りかかる人生を過ごしている……って感じられると、その作品に自分は心惹かれるんだな〜ってね。だんだんわかって来たんです。自分的には大発見なんです。

この全てがね、手前勝手な解釈なのですがね。作品へのこういうアプローチ、わかっていただけますでしょうか。中上健次作品とか、そういう匂いがプンプンしてるんですよね。今、自分はそういうものを求めているんだな〜ってね。とっても自覚しているんです。

あ、でも『ステップ』の映画版は、主人公を山田孝之さんが演じているんですよ。もしかしたら、彼の演技力によって、主人公の奥行きを深みが生まれているかもしれないですね。役者の仕事ってそういうことなのかもですね。なんつって。

わかりにくい話でごめんなさい。では股旅。

〈追記〉明日は臨時休業となります。よろしくです。

それが嬉しい

早朝、芝生に水を撒いてたら、何やら蠢く黒光りする物体を発見。オスのカブトムシだった。彼はどこから来てどこへ行こうとしていたのだろうか。少し弱っているようだったので、捕獲して息子が飼っている虫たちの仲間に入れてあげた。これがイイことなのか、そうではないことなのかはわからない。

一昨日、息子と虫捕りに行った。息子がノコギリクワガタのオスを見つけた。かなりの大きさだ。自分で見つけて自分で獲った大物。息子は興奮しまくっていた。

こういうとき。はて……自分はどうだったかな……と思いを巡らす。私が、初めてノコギリクワガタを獲ったとき、私はどう感じたのかな。そのとき一緒にいたのは誰かな。どんな天気で、どんな空気だったかな。グングン記憶が蘇ってくる。肌感、質感までクッキリと浮かび上がる。

小学二年生の息子と過ごしていると、そこに小学二年生だった自分が現れる。一緒に笑って、一緒に泣いて、一緒に驚いている。それが嬉しい。

話はガラリと変わる。

お客さんからレコードをいただいた。自分が持っていてもホコリをかぶるばかりだし、テッペーさんに渡せばちゃんと聴いてくれるんじゃないかと思って……と仰るので、ありがたく頂戴した。しかも、ちゃんと私の好みであろうアルバムばかりをナイスチョイスしてくれている。また、これで自分の幅と DOODLIN’ BARBER SHOP の奥行きを広げられそうだ。それが嬉しい。

今、読んでいる『ステップ』(重松清著)。まあ、面白いっちゃ面白いのだが、かつて重松清作品をもう読むのはやめようと思ったときの感覚が蘇って来たのを感じる。どうにもセリフがむず痒いのだ。ささっと読みやすく、ときには涙こぼれるときもあるのだが、あまり心には残らない。これはなんでなんかな。ライトでイージーな感じが嫌いなわけではない。むしろ好きなのにな。なんでだろ。