これもまた人生の楽しみ方

ぼんやりペラペラ雑誌をめくっていたら「スピーカーを家で作ろう」だなんて書いてあったから、食い入って読んだ。

かっこいい……
こんなのが店にあったら……最高じゃないか、自分の気持ちが最高に上がっちゃうじゃないか!

とビリビリ感じてたのだが、お値段を見てシュン。
お安くない。
どうりで気分が最高に上がるわけだ。

しかし、いつかコレをゲットするんだぜ!
と妄想目標を立てるのは悪いことではない。
妄想、それはいつ何時でも自由だ。

丈詰めに出していたコール天が出来上がった。
うむ、イイ感じだ。
660円か……なんだかちょっとリーズナブル?
ここ最近は、マイズボンの丈を短めにしている。
スニーカーにちょっとかぶさるぐらいが好みだ。
丈詰めしてもらったズボンを眺めて、己の短足さ加減を再認識させられるのもまたご一興。
これもまた人生の楽しみ方也。

同じ雑誌で、町田康さんがイイ事言ってたので、ココに記す。
おこがましくも多大に共感。
そうそう、この感じ!って感じたので。

『田舎に住んでいるので、すぐ近くで木々に風がそよいだり、虫や鳥が鳴いたりするのですが、そういう音に耳を澄ませたり目を凝らしたりすることが年を取ると面白い。

若い頃はむしろ楽しみを探して、意味のある音楽や演劇、映画を観たかったわけですが、今はあまりそう思わなくなりました。

仕事をはじめ何か目的があることをやっているときにはノイズとしてカットされてしまう風景や音を、分け隔てなく見聞きして、退屈することがなかった子供のときのように感じたいのです。

無心にただ音を音として聴く、景色を景色として見るのが楽しいんです。』

いつの間にか、外は青空。
フィッシュマンズを聴くのにベリー最高にちょうどいい塩梅の陽気だ。
明日雨が降るなんて信じられないくらいの。

長友くんが、デザインした『OLDIES BUT GOODIES』のレコードバッグがイイ感じ。

今日も今日とて股旅をする。

そんな日常

外は今、晴れたとまでは言わないが久しぶりに雨が止んでいて、なんだかそれだけで心が緩むのです。

自分の幼少時、10月と云えば「日本晴の下での運動会」ってイメージなのですが、ここ最近の10月は毎年雨ばかりな印象。
毎度毎度子どもの運動会がやるのかやらないのどっち?でヤキモキ振り回されるって感じになってて、10月ってこんなだったっけかな〜って違和感。

気になったので、私が小学生だった1978年〜1983年の10月の天気を調べてみましたら、私の印象通り断然晴れが多く、雨天はだいたい4、5日しかありませんでした。
ほら、私の印象は正しかった。

ってことはだ。
いつから、関東の10月が雨が多くなったのでしょうか……
今から調べようと思えばチチンプイプイなのですが、やめておきます。
ナゼ?
面倒臭いからです。
うふふ。

違和感と云えば、最近久々に読み直したマンガ『三億円事件奇譚 モンタージュ SINCE 1968.12.10』(渡辺潤著)なのです。

相変わらず、とても面白く手に汗握らさせていただいたのですが、やはり週刊誌に連載されていたからか、「続きはどうなる?早く読みたいぜ!」と思わせる「煽り」が多々ありまして。

この場面いる?この煽りどうなの?
いらないよね?
って感じちゃって、一気に興醒めさせられることがしばしば。
週刊誌連載時には、それで良いと思いますが、単行本化する際に加筆訂正できないものかと。

ちゃんとね。
ちゃんと、そこを物語がスムーズに繋がるように描き直している漫画家さんもいましてね。
こういう作品ならば、よりそこに気持ちを込めていただけたなら嬉しかったな〜と一読者、一ファンの床屋のオッサンは思ったのでした。

過剰な煽りにチリチリしてしまうようになってしまいました。
若かりし頃はうまく受け流せたのにな〜
違和感とか面倒臭いですよね。
頭の固いオッサンテイストで。

あ、先日観た映画『ホテル・ムンバイ』がとても良かったです。
スリリングでありながらも社会派でありメッセージ性も強く、考えさせられるような作品。
すなわち私の好みです。
こんなに映画でハラハラドキドキさせられたのは久しぶりなんじゃないかな。
21世紀に突入してからは初めてかも。

まぁそんなわけで、今日は定休日。
シッカリ休もうと思います。

股旅。

うん、あの頃だ。

本屋に行ったらPOPEYEの『ぼくの好きな音楽』(特別編集版)があったので買って帰った。
いろんな分野のいろんな音楽好きな人たちが音楽について語りまくる……そんな本。
面白くないわけがない。

ペラペラめくるとビースティ・ボーイズの マイクD の無茶苦茶カッコイイ部屋が載ってて萌えた。
トミー・ゲレロ の部屋もカッコ良かった。
壁に飾ってある絵とかクッションとか、こういうの何処で見つけてくるんだろう。
好きなミュージシャンの部屋がカッコイイってなんだか嬉しい。

坂本慎太郎さんと小山田圭吾さんのレコード対談も喰い入るように読んでしまった。
しかしまあ、ホントよくここまでいろんな音楽を知っているもんだ。
音楽オバケだね。
で、その音を聴くに至るストーリーも隈なく覚えているのが凄いっつーか凄まじい。

ふむふむなんつって読んでたら、グワワワーンと中一の頃のことを思い出した。
ボクは、当時発売された『AKIRA』の第一巻に衝撃を受け「こんなヤバい漫画はみんなに教えなくてはならない!」と謎の使命感を持ち、学校に持って行ったんだった。
「『ガンダム』の次はこれだろ!」
と鼻息荒く語るも、友人たちからはそれほどの反応を得られず撃沈。

意気消沈しているところに追い討ちかけるように先生に見つかり没収。

「修了式まで先生が預ります!」

とまだ一回しか読んでないのに取り上げられてしまったんだった。
『AKIRA』の第一巻が発売されたのが1984年の9月で、その半年後、ちゃんと返してもらった。

「先生、読んだ?」

と意外と先生がハマってたりしてと思い訊いたのだが「読んでいるわけないでしょ」て軽くゲンコツされた。
体罰だ!

こんなこと書いてたら『1984』ってのがキーワードになって、昨日訃報が届いたエディ・ヴァン・ヘイレンのことを思い出した。
ヴァン・ヘイレンのアルバム「1984」は、ボクが初めて自分の小遣いで買った洋楽のアルバムだったんだった。

1984年か……

ホントあの頃だよなぁ、うん、あの頃だ。
自分の中にある「カッコイイ」を変革するんだぜ!と躍起になっていたな。

あんな熱い季節が、死ぬるまでにもう一発ボクに訪れることを願っている。

振り向けば十六年

2020年10月5日。
本日、我が DOODLIN’ BARBER SHOP は目出度く開店十六周年を迎えることができました。

旧店舗で十年半。
新店舗に移転して五年半。
山あり谷あり光あり影ありのエキサイティングでスリリングでファンタジーに満ちた十六年でした。

これもひとえに、お客様の方々、家族、友人たちのおかげと深く感謝いたしております。

なぜだか近頃、お客様から店名の由来を訊かれることが幾度かありまして。
お答えする度に「あ〜そういえばこんな思いを込めてこんな店名にしたんだな〜」と我がことながらも感慨深く振り返る機会をいただきまして。

あらためて「良い店名をつけたもんだぜオレってばさ」と自惚れさせといただいております。
来年には華麗に五十路に突入するのですからね。
あまり謙遜するのもイヤミかなと。
脳天気に自惚れようかと。
ただし、人を見下すようなことは厳禁でね。

今後も、面白くてカッコイイものばかりを追いかけようと思います。
今まではブンブンうるさいハチみたいでしたが、少しずつ華麗な蝶々のように舞いまくれるようになれたら本望です。

昨日も新しいステキな音楽と出会いました。
今日もしびれる言葉を見つけるでしょう。
明日は……まぁなるようになる!

と申しましても、私はまだまだ未熟でございまして、今後も皆様方のご指導を仰がなければなりません。
長い間のご指導に感謝申し上げますとともに、変わらぬご教導をお願い申し上げて、お礼の言葉といたします。

まわりに溢れる愛に感謝します。

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平 拝 

帽子LOVE

私は帽子が好きだ。もうかれこれ三十年くらいの“帽子好き好き歴”になる。なかなかのベテランであると自負している。

アレは十九歳。立川の予備校に一緒に通っていたヤマネくんが、フィラデルフィア・フィリーズのキャップを愛用してて、それを真似してみようと思ったのが始まりだ。ヤマネくんは、彼が大好きだったPublic Enemyという HIPHOP グループのメンバー ”Chuck D” の影響で、フィリーズのキャップをかぶっていた。

私も Public Enemy をヤマネくんの影響でハマっていたので「それなら同じ “P” をあしらったピッツバーグ・パイレーツのキャップがイイよ!」とヤマネくんに勧められ、それじゃあと福生の16号沿いの店に予備校帰りに愛車のベスパでヤマネくんと二人乗りして探しに行ったんだった。ブラックにイエローの刺繍で “P” と刻まれたキャップ。アレはある意味私の青春の象徴のような気がする。

このキャップを数年愛用した後、キャスケットやらポークパイやらタムやら、いろいろな形の帽子を楽しむようになり今に至る。

ザッと三十年。これはもう私のトレードマークは帽子ってことにしても誰も文句は言わないんじゃないかな〜とぼんやり思う。

しかし困ったことに、帽子ってのは好きになってしまうと何個も欲しくなってしまうのだ。他者からしたら、何も変わらず全て同じ印象を受けるかも知れないが、私は気分やシチュエーションで、ちゃんとかぶり分けている。本人的には、全部が全然違うのだ。まさしく、みんな違ってみんないい……これなのである。

で、もひとつ困るのが、自分的に一番帽子がジャストフィットする髪型が “丸刈り” なことである。そもそも職業的に帽子かぶってばかりってどうなのよ?って感じなのに、さらに自身の髪型がマルガリータって、コレってまさに本末転倒ってやつなんじゃ?まさか?ってドキドキしてしまう。

そして今朝。ずっと某有名店に自分の職業を隠し、何気なくカットしに行こうと伸ばしていた髪をバッサリマルガリータにしてしまった。これはあれだ。今朝読んだ漫画『宇宙兄弟』のせいだ。この漫画のゲキ渋脇役である吾妻滝生の坊主頭がカッコイイせいなのだ。髪型だけじゃなく人間的にも魅力的なのよね、吾妻さん。

とまあ、こんなふうに日々突発的感情の移ろいに任せて生きている。これが案外悪くない。

しかし、今度こそは髪を伸ばして、あの某有名店に行ってみせるぞ。

股旅。