それが正解

四年前に店前に植えた白樺がココに来てグググイと枝葉を広げている。
随分と大きくなったもんだとコッソリ嘆息したりしているのだが、こんな何でもないようなことが幸せなのだと感じ始めた48歳の床屋のおやじさんである。
息子の中ではただいま空前のコウンブームが来ている。
小学校から帰宅するなり「今日、転校生が来たんだ!」と云うので、なんて名前のコ?と訊くと「コウン!」と叫ぶ。
転校生の名前がコウン?
そんなことは有り得ないわけで、大笑いしてしまうわけだが、そこがまた息子にとっては嬉しいポイントらしく、ますますコウンコウン言うのだ。
息子がハマっているマインクラフトと云うゲームの中でも、何かに名前を付けるとき「コウンちゃん」にしようとしていた。
だがしかし、ゲームはそれを拒否したのである。
「その名前は、どこかで誰かが不快に思う可能性があるからダメ!」とのこと。
ゲーム、偉いぞ!

思い返せば、私にも幼少時コウンブームがあった。
誰もが毎日せっせと出すものなのに、何がどう面白いのか全然説明出来ないのだが、子どもにとっては最高のオモシロネタなわけで、だからきっと「コウンドリル」なんつーふざけたものが飛ぶように売れるのだろう。
確かにあのドリルだったら、オモシロ楽しく勉強が出来そうだもの。
考えた人、すごいぞ!

それにしても山里亮太さんと蒼井優さんの結婚には驚いた。

あの記者会見は良かったな〜
二人ともカッコイイなと思った。
なんかさ、そこら辺に転がっているしょうもないコウンみたいな概念をぶっ飛ばしてくれるような痛快さがあったぜと感じるのである。
大橋トリオさんが、インタビューで曲作りの際に
「自分が踊りたくなるかどうかが大事。それがたとえダンスチューンでなくても踊りたくなったら正解。バラードでも自然と身体動いちゃうようだったら正解」
みたいなことを言ってて、これもまたコウン的概念を気持ちよく吹っ飛ばしてくれる痛快さを感じたんだった。
ダンスチューンでなくても、それがバラードだろうとも、自然と身体が動くような音楽……
自分もそういう音楽が好きだぜとおこがましくも勝手に共感させていただいた。
そして、それは嬉しい発見でもあった。
ありがたし。
 
 

神様が見ているよ

例えばの話です。
今日は十人のご予約をいただいている。
これはなかなかの大忙しだぜ燃えるぜって日に一人目のお客さんに話したネタが大ウケだったとします。
こんなに笑っていただけるのなら……
と、そのあとのお客さんに同じ話が出来るかっつーと、それが出来ない自分がいます。
なんだかほら。
神様が見てる気がするじゃないですか。
「ウケたね。良かったね。
でもそれまた他のお客さんにも話すの?
ウケることがわかったから、こりゃ鉄板ネタだぜって連発しちゃうの?
ふ〜ん……へ〜……それってちょっとイージーじゃない?
まあ、神様別にそれでもいいけどさ……」
って、こんな感じに神様に思われちゃいそうじゃないですか。
だから出来ないんです。
多少アレンジを変えて話すこともありますが、基本十人十色のお話をしています。
テレビを見ててですね。
芸人さんが、前にも見たことあるネタをやってることってあるじゃないですか。
あ〜これはもう鉄板だ、これなら確実だって思ってやっているんだなぁって思っちゃうんですよ、私。
実にイヤな視点で見ちゃっているんですよ、オレ。
でも、ダウンタウンの松っちゃんがエッセイか何かで書いてましたけど、ダウンタウンのは同じネタは二度とやらないらしいですね。
きっと、ダウンタウンのお二人も「神様に見られている!」って感じちゃっているんですよ。多分。
だけどもだけど。
数日経つともう神様効果薄れちゃってですね。
同じネタをバッシバシ話しちゃったりすることもありましてね。
最悪の場合、同じネタを同じお客さんに話しちゃっているときがありますからね。
「あ、その話聞くの千回目です!」
恥ずかしくて気絶しそうになりますね。
さてと。
草むしりの続きをやりましょうかね。
草むしりをした翌日に、庭に興味津々なお客さんが来たりしますからね。
うふふ。

コンクリートなんか かち割ってしまえよ

六月まで我慢しようと思っていたのだが、ここ最近の連続真夏日に耐えきれず今年も半ズボン生活突入。
48歳にもなって、これってどうなのよ?
って気持ちも無きにしも非ずではあるが、半ズボンのヒューヒューさ加減には敵わない。
このフリーダムさ加減には到底太刀打ちできないのである。
近頃やけに くるり が歌う「男の子と女の子」が響く。
以前はそうでもなかったのに、急にいきなりサドンリーになぜか響き始めたんだった。
ちょっと川崎の事件の影響もあるかもしんまい。
この曲は、公園で遊んでいた幼稚園児たちを見て書いた曲らしく、それを聞いてなるほどだからか……とも思った。
歌詞の中でも特にこの部分
♪小学生くらいの男の子
世界のどこまでも飛んでゆけよ
ロックンローラーになれよ
欲望を止めるなよ
コンクリートなんかかち割ってしまえよ
かち割ってしまえよ……♪
にグッと来る。
息子の遊ぶ姿がグワングワンと頭を回る。
息子よ、世界のどこまでも飛んでっちゃえよ。
父さん、僕もいっちょまえに父親になったようです。
川崎の事件に尋常じゃないくらい心痛めています。
なんだかいろいろ厳しいことをいう人がいるので、「死にたいなら一人で死ね」とは言わない。
ただ「赤の他人、特に子供を巻き添えにはしないでくれ」とは言いたい。
さてと。
『続・横道世之介』でも読もうかな。
 
 
 
 
 

心地よく自己嫌悪

「ねえ、手ってなんであるの?足は?背中は?」
「ゴジラと恐竜、どっちが勝つかな?」
「ゾンビっているの?」
息子から投げかけられる強烈にピュアな疑問の数々にどう答えたらイイのだろうか……
こういうとき、何だか上手な物言いをしたいもんだぜと逡巡してしまう。
そんな自分の醜悪さにちょっとだけ落ち込むのだ。
息子が求めている答えはいたってシンプルなもののはず。
粋とかウィットとかはいらない。
それがわかっているのに「あのとき、親父はこう言ったのさ……」だなんて、いつか遠い目を息子にしてもらいたいなんて考えている自分が甚だ気持ちが悪い。
適当に流すことはしないように気をつけているが、正直「そんなこと知らん!」と絶叫したくなるようなキテレツなクエスチョンもあって、全くもってトホホな日々なのである。
毎日、ひらがな書き取りの宿題があるのだが、「上手じゃなくてもイイ、ただゆっくり丁寧に書こうな。その気持ちが大切だぜ」などと言っている自分に酔っ払っている。
今や、授業をノートに書き取りするのではなく、タブレットなどに打ち込むのがスタンダードになりつつあるみたいだし、正直あまり必要ないかも……と内心思っちゃっているわけで、そんなんで息子をどうにか言い聞かせようとしてて、これまた醜悪だぜオレってばさ……と自己嫌悪。
子育てはキャッチボールだと誰かが言っていたが、かつては自分がピッチャーのつもりだったのだが、今や息子が号速球ピッチャー。
僕はミットの綿を抜いて「う〜ん、イイ音出てるぞ!」とその球を受けるキャッチャーのようだ。
どんな暴投でも受け止める気概も必要だ。
なんて、ココでも上手いこと言っている気になっている。
イヤだね〜イヤだイヤだ。
ともあれ春爛漫である。
今更ながら読み込んでいる漫画「クロコーチ」がたまらなく面白い。
おかげで陰謀論大好き中年床屋のおやじさんになって来ている。
イイ感じだぜ。
それでは股旅。

何かが何処かで繋がっているのを感じる

お客さんの秋山さんからヨシオバンクをいただいた。
これは嬉しい。
ザ・クロマニヨンズのマスコットキャラクターでありUMAの高橋ヨシオを模した貯金箱。
これは熱い。
息子はヨシオを見て「お父さんみたいだ!」と言っていた。
これはちょいと複雑である。
最近たまたま思いつきで観た映画が、思わぬ自分との関連性があったりして、不思議嬉しい気分になったりしている。
20数年前、新宿プラザで野口くん(通称 ゴルゴ)と観た『ケープ・フィアー』。
クライマックスに差し掛かったとき、爆睡している野口くんに気付いたのだが、このまま寝かせておいてあげよう……俺って優しいな〜と思い放置。
スタッフロールが終わったので揺り起したら、まずい寝ちゃったもう一回観ようよ!と言い出したので、いやそれは断ると言ったら、なんだかプンスカしていた野口くん。
お互い若かったね。
起こせば良かったかな?
そんな想い出がいっぱいな『ケープ・フィアー』を観るのは、そのとき以来。
懐かしいな〜と観入っていたら、ふと思った。
筋肉ムッキムキで全身にタトゥーを入れたロバート・デ・ニーロが、この映画の公開時の年齢ってどれくらいだったのかな〜と。
それで調べてみたらどんぴしゃり。
デニーロ、48歳のときの怪演だったのである。
これまた名作『グッド・ウィルハンティング』出演時のロビン・ウィリアムズが47歳で「タメかよ〜‼️」と驚愕嘆息しまくったのが、つい数ヶ月前のこと。
公開当時「大人だなぁ……」と見上げていた、名優たちといつの間にか同年代になっていたっつー腰砕け感。
それに比べてオレはどうなの?
ボール一つにキリキリ舞いさ……なのである。
さて、次は何を観ようかしらん。
また何かしら意外な繋がりがあると面白いな。
ま、こういう映画の楽しみ方もあるよって話である。
それはさておき、DOODLIN’ BARBER SHOP 新作オリジナルTシャツの話である。
おかげさまでご好評いただいておりまして、ホッと尻を撫で下ろしている次第であります。
例によって、ご予約ご注文をある程度承ってから、その数プラスアルファの制作枚数になります。
6oz ボディを使用したホワイト、ヘザーグレー、ディープネイビーは3900円。
今まで作ったオリジナルTシャツと同じ5.6ozボディのオレンジとBANANAは3600円になります。
20日くらいにご予約ご注文を〆切、それから発注となりますので、六月半ばくらいには納品となるよう頑張ります。
とても良いものが出来そうな予感がムンムン。
是非ともよろしくです!
DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平 拝
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