流される心地よさ

ずっと欲しかったユーフォルビア。
またの名をホワイトゴーストと云うサボテン。
その姿が、昔の米国アニメに出てくる幽霊に似ていることから付けられた名なのでしょう。
これが、いつもなかなかのお値段でグッと涙を飲んでいたのですが、ちょいと小さくなってしまいますが随分とお安くなっていたのを見つけてすぐさまゲット。
どれにしようか迷ったので息子に相談したら「これだ!」と一瞬で決めてくれたのでそれに従いました。
これからはもう、妻か息子にいろいろ決めてもらおうと思いまして。
だってその方が、確実にいい結果、いい展開が待っているんですもの。
いつの間にかそうなっていくのですね。
近頃、息子が店に置かれているものや私が身につけているものを指して「これ、オレが大きくなったらちょうだい!」と云うことが多くなりました。
このホワイトゴーストもそう。
それから、私が大切にしているモミジシシガシラ。
(先日、冬を乗り越え葉っぱが出始めました。嬉し。)
それと、タコマフジレコードのキャップ。
おっとそれから、アディダスのキャンパス。
友人のアラヤンが描いたいくつもの絵。et cetera。
これがなかなか嬉しいものですね。
息子の中で、いろいろなものに対して「好み」が生じてきたようなのです。
植物に対して「かわいい」とか「カッコイイ」と思える感性。
これは教えてどうにかなるものでもないと思うのです。
これだけは本人が感じられるかどうかかと。
もちろん、そのキッカケを演出することは可能ですけども、要は本人次第なのですよね、こればっかしは。
息子は妻の物もいくつか狙いを定めているようですし、その好みの幅は広がりつつも絞り込まれて行くことでしょう。
う〜ん、スペクタクル!
「いつか息子と酒を飲み交わしたい」なんて願うお父さんは多いと思いますが、もちろんそれもステキングですけども、私はいつか息子とレコード屋に行きたいのですよ。
息子から「これ、すごくいいよ。きっとお父さん好きだよ」なんつってレコードをもらったりね。
いいですね、そういうの。
最高じゃないですか。
さてと。
仕事頑張ります。

光り輝く門出の日

今日は息子の入学式でした。
ずっと晴れ続きだったのに、よりによって何で今日は曇り?
と思いましたが、ここは敢えて「そこがいいんじゃない!」と思うことにします。
何しろ門出ですからね。
私が子供の頃は、父親が入学式に出席するなんて考えられなかったですが、今はほとんどのお父さんが出席するようですね。
開式前に「動画などをSNSに投稿するのはご遠慮ください」とアナウンスが入ったのも「今だなぁ……」と感じ入りました。
時代は澱みなく流れていますね。
私が小学校に入学したのも遥か昔の四十年前。
でも、そのときのことをほんのりとは覚えています。
近所に住む一つ年上のトモくんが、私の教室に校庭側の窓から入ってきたんですよ。
私の名前を叫びながら。
トモくん、今頃どうしてるかな。
あれだけ仲良かったのに、どこかで疎遠になってしまうのは何故なのでしょうね。
すべての才や力や材といふものは
ひとにとゞまるものでない
ひとさへひとにとゞまらぬ……
と詩ったのは誰でしたっけ。
上手いこと詩うものです。
息子の小学校生活が満遍なく滞りなく光に満ちた輝かしく楽しいウルトラベリーハッピーな日々でありますように。

なかなか身につかない年の功

おはようございます。

順調に行けば、ちょうど一ヵ月後に48歳になる床屋のおやじさんなわけですが、ここに来て年齢というものをヤケに意識し始めている自分がいるようです。

私の好きな映画の一つに「グッド・ウィル・ハンティング」という超名作があるのですが、この作品でアカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞したロビン・ウィリアムズが、このとき47歳だったっつ事実が、ヤケに胸に染み入っちゃうのです。

自分でも何故なのかわからないぐらいに。

悩める若者を導く懐の深さと優しさ慈しみを感じさせる佇まい。

私は、この映画を観たときに20代後半だったのですが、そのロビン・ウィリアムズが醸し出す佇まいに憧れ、ああこんな大人にいつかなれたらいいな……そうなるにはどうすればいいのかな……

だなんて夢想してたわけで、でもそれがいつのまにか年齢が追いついてて、あれれ?オレ何やってんの?どうした?

ってな感じなわけですよ。ヤケに。

歳を重ねていくに従って、ちょっとは上手く立ち回れるようになってきた部分も少しはあるけども、全然まだまだ足りてない。

うん、オレ足りてる!

ってヤツほど信用出来ませんが、少しぐらいはね。

自負してみたいじゃないですが。自負。

欲しいのは自負ですよ、自負。

それと矜持。

そんなわけで、ショーケンこと萩原健一さんが亡くなってしまったことによる圧倒的喪失感に包まれた一週間だったわけです。

いろいろ書きたいこと語りたいことが多々ありますが、それはまたいつか。

こういうとき、好き過ぎて語れないってあるのですね。

勉強になりました。

ありがとうございます。

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平 拝

ちょっと気持ちがしゃんとした

息子が幼稚園を卒園した。
子どもの成長は早い早いと聞いてはいたが本当に早い。
ものすごく早い。

 

 

息子が生まれてから今日までが、まさに走馬灯のように本当に頭を過った。
先人たちが言っていたことは本当だったのだ。

 

 

坂口安吾先生は、本当のことは本当過ぎるから嫌いだ……
と言ったそうだが、僕は息子に関わる、息子に関する、息子にまつわる多くの本当が好きだ。
本当過ぎて好きだ。

 

 

先日『さよならアメリカ』(渋谷直角著)を読んだ。
たまたま本屋に寄って、たまたま手にとったのだった。
その装丁が目に入った瞬間、これは読まねばなとピーン!
と来たので、その感性に従うことにした。
そしたら、今まさに読むべき本だった。
やったぜと思った。

 

 

物語の終盤、偶然にも幸運にもナゼだか明らかに多摩湖(僕の実家のそばにあるナイスな人口湖だったから物凄く作者に親近感)が描かれている場面での準主人公の言葉『私はネットの評価を信じない、自分の目と耳と頭で判断してる!』ってくだりにはドキリとさせられた。

 

 

果たして俺ちゃんはどうだろうか……

 

ネットの評価に左右させられてないだろうか……

 

自分の目と耳と頭で判断してるか?

 

あれが最初で最期のチャンスだったと勝手に決め付けて、勝手にとぼとぼとポケットに手を納めてしまってはいないか?

 

実力が足りないことを棚に上げ、図々しく“スランプ”などと口にしては芝居がかった苦笑いを浮かべてはいないか?(by 竹原ピストル)

 

 

そんな思いがグルグルと巡ったんだった。

 

 

そうこうしているうちに、来月には小学校の入学式が待っている。
その頃には桜は散ってしまっているだろうか。
妻さんと息子との記念写真も撮るのが楽しみだが、自分だけ特別ビッグなフェイスなのでちょっとだけ落ち込んだりするのも、また一興ってことでサラリとかわそう。

 

 

三年前、入園式の際に仕立てたスーツが今後も着られるよう気をつけねばなという思いもグルグルと回る。
なんだかんだで、自分のことばかり気にしちゃっている己に少々自己嫌悪。

 

 

さてと。
こんな定休日には、The Beach Boys 『Smile』でも聴くかな。
この50年以上前に作られたアルバムを、きっと僕は30年後も聴いているだろうと思う。

 

イチローさんの引退会見での

 

「最低50歳までと本当に思っていた。それはかなわず、有言不実行の男になってしまったが、その表現をしてこなかったら、ここまでできなかったかなという思いもある……」

 

 

という言葉を受けて、妻さんが「80歳まで仕事しよう!って思ってれば70歳までは出来るよ!」と言ってくれて、僕はみょうに腑に落ちたんだった。

 

 

そう思うことにした。
そうしたら、なんだかちょっと気持ちがしゃんとしたんだった。

 

 

 

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なかなかの贅沢

さて。
この友人が描いた絵をどう飾ろうか。
店に飾るか、それとも自宅に飾るか。
おっとその前に、どんな額装にしようかな。
こんなことをぼんやり考えている幸福。
友人が描いた絵が好き。
そしてその絵を飾りたい。
これってなかなか有難いことなのではと思う。
なかなかの贅沢だなと感じる。
この友人とも長い付き合いになった。
今後も彼が描く絵を見続けたいと思う。
アラヤン、いつもありがとう。
これからもよろしく。