突然の小粋な贈り物

ふと気がつけば四十路半ばも華麗に過ぎ、いつの間にやらこの仕事に就いて二十年以上が経っていました。
なんだかしみじみしちゃいます。

 

ありがたいことに、私の理容師歴と同じぐらいのお付き合いになるお客さんも幾人かおりまして。
先日、その中の一人である湯舟さんから不意にレコードを一枚戴いたのです。
それが Kenny Burrell の「Moon And Sun」だから驚きました。

 

だってこれ、ずっと欲しかったんですもの。
でも CD は廃盤だし、某ネット通販サイトで検索してもかなりお高くて、レコードなんて尚更手が届かない金額だったのです。
こんな名盤なのだから、またいつかさらりと再発することを願っていたのですが、湯舟さんにどこかでその話をしていたのでしょうね。
海外のサイトで見つけて来てくれたのです。
なんの予告もそんな素振りも全くなしだったってのがまた小粋。

 

聞けば、今月で移転して三年を迎えるからそのお祝いにとのこと。
種明かしすると、そんなビックリするような価格ではなくリーズナブルだったとのこと。
いやはやありがたし。
どうもありがとうございます。
大切にガシガシ聴かせて戴きます。

 

それにしてもやはりいいな、このアルバム。
ジャケットもいい。
当店にジャストヒット。
こんな私にスムーズインな名盤だなあと思うのです。

たまの夜更かし良い気分

ここ近年では珍しいことに昨日一昨日と二日連続で夜更かしをした。

 

一日目は映画鑑賞。
妻に薦められていた『あん』(河瀬直美監督作品)を観た。
とても良かった。
二日経った今も余韻が残っている。
舞台となったのが東村山市の久米川だったってのも良かった。

 

実は久米川は十五年前に DOODLIN’ BARBER SHOP の開店最有力候補地だったのだ。
それこそ路地裏の裏までグルグル見て回ったから、ロケ地がどこなのかほとんどわかる。
魅力的な街だったんだなと映画を観て再認識。
灯台下暗しとは多分きっとこのことである。

 

作品の大きな主題として扱われたのがハンセン病。
東村山市の外れにあるハンセン病療養所の全生園は以前からその存在は知っていた。
ハンセン病の患者さんと思われる方々も、時折街中で見かけていた。
(その患者さんも映画に出演なさっていた)
だのに、僕は興味を持とうとしなかった。
前を通りかかったも「ふ〜ん……」とすら思わなかった。
この『あん』を観て、僕はそのことを恥じた。

 

なので近々全生園に行ってみようと思う。

映画が考える切っ掛け、学ぶ切っ掛け、動く切っ掛けを与えてくれることがある。
この作品を作った方々と、この作品を教えてくれた妻に感謝しなくてはだ。

 

二日目の夜更かしは御存知ワールドカップ『日本 VS セネガル』。
引き分けではあったが、とてもエキサイティングな良い試合だった。
そうなのだ。
たとえ敗戦であったとしても、良い試合だったら文句なしなのである。
先日の対コロンビア戦も良い試合だった。
加えて面白かった。
正直なところ、生意気にも近年の日本代表戦に興奮しなくなっている自分がいた。

 

ワールドカップでのこの二試合は存分に十分に僕を興奮させてくれた。
こうなると欲深オッサンとしては、まだまだ良い試合を魅せて欲しくなってくる。
次戦の対ポーランド戦でも興奮させてもらいたい。

 

そんなわけで、ちょいと眠い。
眠いけど、せっかくの定休日なんで満喫しようと思う。

 

それでは股旅。

梅雨だけにね

梅雨真っ盛り。
ジトジトジメジメ気が滅入りそうなので、ここでどうにか梅雨好きになれたら素敵だなと思い梅雨の良いところをピックアップしてみようとチャレンジしたのですが、ダメでした。
梅雨、良いところ一つもありません。

 

ただワールドカップはやはり面白い。
日本が勝てば尚更面白い。
日頃、運動不足な人が選手に「そこ走れよ!」と言える。
日頃、弱腰な人が「そこ勝負だよ!」と言える。
なんでも途中で投げ出し気味な人が「諦めんなよ!」と絶叫できる。
そこがサッカー観戦の良いところ。

 

読みたい本がたまっている。
観たい映画がたくさんある。
聴いてみたいレコードがたっぷりある。
行きたい場所がいっぱいある。
はてさて夏休みはどうしようか。
そろそろ計画を練らなくてはいかんよね。

さてと。

仕事しますかね。
BGMは、久しぶりに U2 でも聴きましょうかね。
梅雨だけにね。

ありがとう

どうもこんばんは。
昨日、この所沢市三ヶ島に移転してちょうど三年が経ちました。
あっちゅう間って感じではありますが、今年五歳になった息子が、三年前に移転したときにはまだ二歳で幼稚園にも入ってなかったいなかったのだな……と思うと遥か遠い昔のことのようにも感じます。

 

人の感じ方というのは面白いものですね。
気分と状況次第で、全く真逆の感じ方をしたりするのですもの。

 

ともあれ、通い続けてくださるお客様がた。友人たち、そして我が家族に大きな声でこう言いたいです。

ありがとうございます!

 

 

そして今日は父の日。

 

そんな息子が、せっせと貼り絵で私を描いてくれました。
笑顔とあごひげがポイントです。
人の成長というのは面白いものですね。
息子は毎日何かしら出来なかったことが、さらりと出来るようになっているように感じます。
私は少しずつ何かしら出来てたことが、出来なくなっているように感じます。
まあ、ちょっとは出来ることも増えているのですが、ホントほんのちょっとですね。

 

絵を渡される際、息子に大きな声で「ありがとう!」と言われたのですが、そっくりそのままその言葉を返したい。
そんな息子を産んで育ててくれている妻にも、同じ言葉を伝えたい。
そう思いました。

 

父の日って、多分きっとそういう日なんですよ。

わかっちゃいるけど、やめられない

数日前から再び朝晩と体重計に乗っている。
ちょいとサボり過ぎたようで、なかなかの痛快な体重にいつの間にかなっていたからだ。

 

「随分と丸くなったね」と妻に言われ体重計に乗ることを促されたときは正直躊躇した。
現実なんて見たくないし知りたくもなかったからだ。

 

でも、その反面乗った瞬間に生活を改めることを決意するだろうこともわかっていた。
だから意を決して乗った。
こういうとき、最悪の結果をイメージするようにしているので、叩き出された体重を見てもさほど動揺しなかった。

 

「ま、想定内っしょ!」

 

我ながら生意気なリアクションである。
そんな流れでエブリデイ体重計と友達な日々になったわけだが、効果はてき面なようである。
何しろ日々の生活に締まりが出てきた。
食べるものも、食べる量も、運動量も、意識するのとしないのとでは大違いなのである。

 

そこまでわかっていながら、なぜ今まで増量肥満を放置したのだ?

 

賢いあなたはそう思うだろう。
それと同時に、人の意思なんてのは甚だ弱いこともクレバーな貴方は知っているはずだ。

 

わかっちゃいるけどやめられない……

 

これが人生の真理なのである。
怠惰な生活だと自覚し、このまま続ければ痛い目に遭うんだぜと予想できていながらも、抜けられない。
まっこと人の怠癖ってのは恐ろしいものである。

 

そんなわけで、ストイックなエブリデイを過ごしている。
あいにく梅雨時ではあるが、すきを見て自転車に乗り、散歩し、草刈りをやろうじゃないか。
さすれば、梅雨明けの頃にはどうにかまあ少しは成果が出ていることだろう。
ついでに、座骨神経痛ともおさらば出来ることだろう。
おまけに、息子に「臭〜い!」を顔をしかめられる回数も減るはずだ。

 

もう良いことづくしなのである。

 

なんでやらなかった?

 

我ながらそう思う。