それはいいことづくし

先日。
早起き息子と虫採りドライブと洒落込んでいたら、車内に流れる大滝詠一さんの『幸せな結末』に息子が反応。

 

「これ、誰が歌っているの?」
「大滝詠一さんって人だよ」
「どこに住んでいるの?」
「いつも行く瑞穂町だよ。でも、もういないんだ」
「どうして?」
「死んじゃったんだよ」
「なんで?」
「それはね……」

 

そんな会話をしたんだった。
息子は、この曲のメロディと歌声が気に入ったらしい。
なんとなく、ホントなんとなく息子が好きそうだなと思って流したから、反応があった瞬間「かかった!」と胸が小躍りした。

 

音楽好きのお客さん方は皆「幼少時や少年時代に親が運転するクルマで流れていた曲を覚えているし、今思えば自分の音楽の好みを方向付けるのに大いに影響したんじゃないかなぁ……」と口を揃えて仰ることが多い。
私自身も、兄たちや叔父が流していた音楽からの影響は計り知れないなと思う。
あの頃好きだった曲たちは今でもすごく好きだ。

 

だから、息子もきっと店内や車内で流れている音楽にビンビン影響を受けているに違いないと信じ込むことにしている。

 

『細かいことを考えて悩むことがいかに無意味かっていうことは、多くの音楽が表現してるよ……』

 

これはリリー・フランキーさんの言葉なのだが、これに全力で賛同したい自分としては、息子にも是非とも音楽好きになって欲しいのだ。
何かのときに音楽は救いになる。
それは必ずだ。
絶対にだ。
癒しにもなるし、喜びにもなるし、言い表せない自分の思いの代弁者になってくれることもある。
いいことづくしなのだ。

 

だから、息子が『幸せな結末』に反応してくれたことを心の底から嬉しく思う。
もっともっとたくさんの素晴らしい音楽を聴いてもらいたい。
決して押し付けにはならないように気をつけて。
さりげなく方向付けてみせよう。

 

今回はドラえもんのことを書こうと思っていたのだが、くどくなるのでこれぐらいにしておく。

 

それでは股旅。

プライスレスな日々

こんばんは。

 

 

ここ最近、毎朝五時過ぎには息子がウキウキ・ウェイク・ミー・アップしやがるのです。
そして虫採りに行こうぜと私を誘うのです。
まだまだ採れないよ……
などと無粋なことは言わず、私は息子の誘いにライドオン。
ちゃんと真剣に一緒に探し、一緒に「いなかったね〜」と悔しがるのです。

 

息子よ。
もうちょい、あと二、三週間もすればきっと採れるよ。
それまでは、樹液がバシバシ出るであろう樹を探そうぜ。
さすれば今年も大量さ。

 

今日。
仕事を終えてから、息子と花火をしました。
ちゃんと日が暮れてからの方がキレイだよ……
何度そう言っても聞く耳を持ちません。
まだまだ明るい中、私は息子が手にした花火に火をつけました。
一本目、大興奮。
じゃあ、これにしようぜ!と二本目を取り出し着火。
二本目も大興奮。

 

あ〜面白かった!
あとは明日にとっておこう!

 

息子は、そそくさと後片付けを始めました。
たったの二本の手持ち花火で大満足する息子。
私は、そんな息子がちょっと羨ましかったのでした。

 

 

昨日今日と店内BGMで流していた Engelwood。
幾人もの方に「これ、いいですね!」と言われ「でしょ〜!」と返したのでした。
でも、その音源は YouTube。
どうやら、レコードもCDも出ていない御様子。
山下達郎の “SPARKLE” をサンプリングしてたりするので、これはひょっとして日本人では?
と盛り上がったのですが、調べてみたらアメリカウィスコンシン州在住の方のよう。
次から次へと素晴らしい音楽が現れ、しかもそれがただで聴けてしまうというウルトラマジック。

 

さてと。
明日は定休日ですし、今宵はちょいと夜更かしして『邂逅の森』(熊谷達也著)でも読みましょうかね。

 

 

そんな愛しき日々、プライスレス。

 

 

 

きっといるに違いない

今、うちの息子は こびと に夢中でして。
彼は本気で こびと は存在するのだと信じているのです。
こびと図鑑を取り出して来ては、ああでもないこうでもないと研究をしておりまして。
「お父さんは、どの こびと が好きなの?」と訊くので
「う〜ん……お父さんはやっぱりバイブスマダラかな!」と応えると、「じゃあ探しに行こうぜ!」と私の手を取るのです。

 

近所を散策していると、道端にクルリと丸まった枯葉が落ちてました。
「あっ!」
息子は急いで駆け寄り枯葉を拾い上げ、「これ!バイブスマダラの草笛だよ!」とはしゃぐのです。
バイブスマダラと云う こびと は、音楽と薬草が大好きで、その薬草を丸めた笛を吹くとハトが鳴くような音が出るのです。

 

どこかでハトの鳴き声が聞こえると息子は「バイブスマダラだ!」と表に飛び出します。
でも、その姿はどこにもありません。
電柱の上にはハトが一羽。

 

「あいつがバイブスマダラみたいな音出しているのかなぁ……」

 

息子よ、それは正解だ。

 

「こびと を捕まえるんだ!」と鼻息荒く、近くの空き地に虫取り網と虫かごを持って行き、こびと が好むリズムを奏で、それに合わせて音にならない口笛を一生懸命吹いている息子と一緒にいると、

 

「いや、もしかしてホントに こびと っているのかもしれないな!」

 

と思えてくるから不思議です。

 

「ほらいたっ!」

 

と息子が大はしゃぎで こびと をいつか捕まえたとしても、そんなに驚かないかもなぁ……だなんてぼんやり考えてしまう今日この頃なのです。

 

今、ネットでたまたま見つけた Robohands って人の “Green” というアルバムを YouTube で聴いているのですが、これがとても良くてですね。
レコード出てないのかな?
と調べてみたら、一応あるにはあるみたいなのですが、外国のサイトばかりなんです。
CDも出てないみたいだし、でも、YouTube でただで全曲聴けちゃうわけだから、別にいいのかもですが、何がどういう仕組みになって、こういうアルバムをリリースしているのかがとんとわかりません。
でも、良い音楽がいっぱい転がっているんですよね〜
これって、アーティストにとっては良いことなんかな。
どうなんだろ。
そんなわけで、何方か Robohands の “Green” をレコードでゲットしてください。
おっとそれから、バイブスマダラを見つけたら捕獲しといてください。
ちょっと我が家で飼育してみたいので。

 

よろしくお願いします。

 

 

みんな違って みんな良い

近頃、短髪刈り上げ志向のお客様方が求める仕事のクオリティが、グイグイ上がってきているのを感じます。
その要求に応えねばと幾つものバリカンを駆使しているわけです。

 

DOODLIN’ BARBER SHOP にあるバリカンは全部で八つ。
とりわけ、画像に載せた六つが大活躍しています。
そのどれもがそれぞれ素晴らしい仕事をしてくれる。
作り出す表情もそれぞれ全部違う。
“みんな違ってみんな良い……”ってのは、まさしくこのことであるに違いないぜと嘆息が止まらないわけです。

 

もちろんハサミも重要、櫛だって当然大事。
これといったこだわりもなく、仕事を続けてきたなと思っていたのですが、気づけば私もいつの間にやら理容師歴二十数年。
そりゃ長く使い続けている道具も多々あるわけで、何故それなのかを上手く説明は出来ないのだけれども、これじゃなくちゃダメだなってのはあって、それってすなわち「こだわり」なのかもなぁとちょっとだけ思い始めました。

 

カットクロスとシェービングケープとエプロンは中村商店さん。
帽子はDECHO、もしくは文二郎。
スニーカーはアディダスのCAMPUS。
いつの間にやら、これらがユニフォームみたいになってました。

 

 

いつの間にやら……これが重要。
狙ってやると、どうにもわざとらしくて我ながら鼻持ちならない。
気負うことなく、なんだか気づいたらそうなっていた……これがイイ。
我ながら好感が持てるっつーわけです。

 

機会があったら、今度はハサミと櫛についても語らせてください。
身につけているものたちに関しては「だって好きなんだもん」。
これしか言えません。
これもまた多くを語ると嘘くさくなるのでやめておきます。

 

さてと。
そろそろ寝ましょうかね。

 

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 拝

 

《追伸》
新作Tシャツ、ただいまご予約ご注文承り中です。
今月末に数をまとめましたら、ご注文分プラス若干数で制作に入ります。
かなり良いものが出来そうな予感がムンムン。

 

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

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その圧倒的なリアルとファンタジーの間で

SPECIAL OTHERS ACOUSTIC が素敵に響く朝。
外壁に作られた小さな蜂の巣をどう駆除すべきかをぼんやり思案している朝なのです。

 

先日、妻さんと一緒に免許証の更新をしに所沢警察署に行ってきました。
妻とは誕生日が二日違い、そしてたまたま更新年が同じ、しかもお互いゴールド免許。
なかなかの偶然の揃い踏みだったわけです。

 

夫婦で更新に来たことを悟った受付の女性は、ちょっと驚いた様子で「一緒に更新なんてイイですね〜」と言ってくれました。
でも、講習を受け持った女性教官には、講習後に免許証引き換え用紙を受け取る際に妻のことを「え?娘さんですか?」と訊かれ膝から崩れ落ちて歯を全部折れてしまいました。

 

いやいや、それは幾らなんでもないでしょ!

 

と心の中で絶叫したのですが、以前、息子と公園を散歩してたらベンチに座っていた爺さんに「お孫さんかい?」と言われたことがあったことを思い出しました。
ずいぶん前、近所の定食屋で働く女性のことを、ずっと店主の娘さんだと思っていたら実は店主の奥さんだったって大いなる勘違いをしたことがあったことも思い出しました。

 

あれか……あの感じか……

 

自分が思っている以上に自分は老けて見られているっつー圧倒的現実を痛感している朝でもあるのです。

 

というわけで、親愛なる皆々様おはようございます。

 

SPECIAL OTHERS ACOUSTIC の次は、高田漣さんの『LULLABY』でも流しましょうかね。
近頃、どうにも高田漣さんの紡ぐ音が心に沁みるのです。
高田漣さんと云えば、言わずもがな伝説のフォークシンガーである高田渡さんの息子さんなわけで、どうやったらこの二方のような父子間の音楽性の継承というのが出来るのかな〜と思案させられるのです。
ちょっと憧れちゃうんですよね。

 

ボクはしがない床屋のおやじさんではありますが、何かしらを息子に伝えたいって思いが強いようです。
そんなのは息子が勝手に引き継ぐべきことをチョイスするものだってのはわかっているのですが、さりげなくそれをコントロール出来たらイイなぁなんて気持ちの悪い思いを抱いているわけです。
ダメですか?

 

さてと。
そんなわけで、今週も頑張りましょうかね。
ここ最近、数年ぶりのご来店となるお客さんが相次いでおりまして。
どれもこれも嬉しい再会でありまして。
そういうタイミングなのかも知れませんね。
この仕事続けてきて良かったなとしみじみ感じ入っております。

 

ともあれ、ありがとうございます。

 

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 拝