爆発的にさりげなく

先日、お客さんとの話の中で元売れっ子の某ミュージシャンの話題が出まして。
その某ミュージシャンは相当売れるためにいろいろとリサーチをしてたらしいが、出来ることなら売れるためにとか考えずに、やりたいことを自分の好きなようにやって、そしたら売れてたって方がずっとカッコイイし憧れちゃいますな〜なんて笑い合ったのでした。
我ながらしょうもないなと思うのですが、自分の仕事に関してもこの思いが抜けてない。
売れるために、売れるための何かをするっつーより、やりたいようにやってたら売れちゃったぜ〜って道を未だ目指している節があるのです。
いや、そこ狙って行かなきゃダメだろ!って思ったりもするんですけどね。
なんか出来ないまま来ちゃいました。
なんかこう、さりげなくやりたいじゃないですか。
努力、葛藤、不安、とか微塵も見せずに華麗にやり遂げたいじゃないですか。
いや、もちろん努力も葛藤も不安も、どれも必要ですよ。
それが無きゃ、ただのアホですし。
でも、それを見せずに涼しい顔で口笛拭きながら、すごいことをさらりとやってのけたらさ。
猛烈カッコイイなって思っちゃうんですよ。
痛々しいことに。
痛々しいことは重々承知で、このまま走り抜けたいと思ってます。
今後も、肩肘張らずにイイ塩梅で力を抜いて爆発的にさりげなく、どうってことないぜって感じでやりたいですね。
なんか幼稚な物言いになりましたが、四十六歳にもなってそんな矜持を抱いているんです。
魅力的な店にしたいし、魅力的な人間になりたいですね。
ほら、もう全然さりげなくもなんでもなくて、かっこ悪さ全開になってますけど。笑
さてと。
明日もイイ仕事しよう!
DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平

何度目かのブーム到来

おはようございます。
連日の晴天続きで秋うららですね。
晴れやか気分とは裏腹に、僕の中では何度目かのニール・ヤングブームが来ております。
数年に一度訪れるニールでヤングな気分。
これは秋晴れ続きだからこそのものかもしれないですね。
人はギャップを求めるものなのだと思います。
さて。
こうなると俄然ギターを弾きたくなるのです。
だけど僕にはギターがない。
キミに聞かせる腕もない。
心はいつでも半開きなわけですが……すみませんちょっと嘘つきました。
ギターはあるんです。
それも途轍もなく格好良いギターが。
高校時代からの友人カワサキが「このギターはテッペーの店にきっと似合うと思うぜ」と無期限で貸してくれたGretsch “G6138” があるんです。
これをジャカジャカ弾いてみたいじゃないですか。
そのギター、別にニールでもヤングでもないんじゃない?だなんて無粋なことは言わないでください。
白状しますと、この思いはビートたけしさんがインタビューでこんなことを言っていたのにも多分に影響されています。
『あまりにも時間を無駄遣いしたなと最近気がついたの。
そういう時って、たいてい人生長いことないんだよね。
だから自分はあと何年と考えると、やってみたいことがたくさんある。
今やらないともう終わるなって。
ピアノの練習をしたり、絵をまた描き直したり、小説書いたり。
ほんと酒飲む時間がなくなっちゃったね。
ピアノは先月また新しいのを買った。ただ、弾いてるのが「もしもピアノが弾けたなら」。
情けないよ。
けど、あれ意外に難しくてね……』
僕もすでに四十六歳。
まだまだ先があるぜとも言えるが、人生何があるかわからんもんです。
十年前に考えていた十年後である今現在。
予想通りになっていることなんてほとんどないですもの。
何度も何度も「ギターやりたいぜ!」と十代の頃から吠え続けて来ましたが、さすがに潮時かと。
いつやる?
今でしょ!
なわけです。
そりゃやるなら上手くなりたいですが、別に下手でもいいんです。
出来なかったことが出来るようになる。
わからなかったことがわかるようになる。
それだけで楽しいじゃないですか。
いやもう、楽しければそれで良いんじゃないかと。
僕の父も七十を過ぎたあたりから、ラジオ英会話を始めましてね。
当時は「いつ話すの?いつ使うんだよ?」だなんて、下衆で浅はかで卑しい思いを抱いていましたが、今ならわかるぜ、父さん。
別に話さなくても使わなくても良いんだよね。
そりゃ使えるチャンスがあれば最高だけど、その前に学ぶことが楽しいんだよね、父さん。
つーわけで、人生で何度目かになるギターやるぜ宣言です。
ニールでヤングなのも良いけど、ニックでドレイクなのも良いですね。
ジャンゴでラインハルトなのも良いし、竹原でピストルなのも良いし、岡林で信康なのも良いな。
ホント理想と妄想だけは一丁前です。
今日は定休日。
積極的にガシガシ休もうと思います。
それでは股旅。

さて何について書こうか……

どうもこんばんは。
もう十一月ですか。
月日が経つのが早過ぎて目眩がします。
さて、何について書きましょうか。
BLUE GIANT SUPREME の三巻が素晴らしかったって話にしましょうか。
相変わらず、そこかしこにグッと来る場面が散りばめられてて、ホントなんだかもう悔しいぐらいなんです。
たかだか漫画なのですが、人生や今後の仕事の指針になりそうなフレーズとかもあって、全然たかだか漫画じゃなくて憎たらしいっつーか愛してます。
松本大洋先輩の新作単行本『ルーヴルの猫』が楽しみだって話もいいですね。
近頃なんだかもう、ちょっとした大御所感が漂ってきている松本大洋先生ですが、今回のもうなんだか突き抜けている感満載ですね。
近頃、息子がアニメから実写ものに興味が移ろって来てて、一緒に『ジャングルブック』(2016年作品)を楽しんでて、もちろん吹き替え版なんだけど、観ている間は誰が声優をやっているか全然わからなくて、それで観終わった後に調べてみたら、そうそうたるメンツで、猛烈悪役なトラを伊勢谷友介さんが演じてたってのに心底驚いたって話もいいですね。
それを知った後に観てみても「え?これが?うそでしょ?」ってぐらいの声色違い。
稚拙な物言いになりますが、とてもプロフェッショナルを感じました。
変な物言いになってますが、他の言い方が思いつかないので、この表現で御勘弁を。
ジャミロクワイのジェイ・ケイが太っちゃった話はどうですかね。
何せもう彼も今年で48歳ですからね。
そりゃもう色々としょうがないのかもですね。
春先のツアーが延期になったのも、腰をやられっちまったらしいし。
あの男から見ても憧れる格好良さを誇るジェイ・ケイでさえ中年太りもするし腰もやられるってことにね。
一抹の寂しさも確かに感じるのですが、それより何より親近感を感じちゃっている私がおりました。
あのスーパースターに。
どうもすみません。
昆虫の話も実はしたい。
先日、生まれて初めてハラビロカマキリを捕獲したって話や、今日もオオカマキリを捕まえて、バッタも数匹捕まえて餌にして、でもそろそろさすがに寒いから長くは保たないだろうな〜って話や、カマキリと云えばカマキリ先生なわけで、扮する香川照之先輩の突き抜けっぷりがもう気持ちいいぐらいで、次回の『昆虫すごいぜ』の放送が楽しみで仕方がないのです。
ここ最近、また映画をちょくちょく観るようになってて、妻さんと息子が寝た後に数十分ずつ何日か跨いでぼんやり観るのがクセになって来てます。
今観ているのは『二つ星の料理人』でブラッドリー・クーパー、イイっすね。
続きが楽しみ。
でも、メインはテレビかな。
最近のテレビ番組、面白いです。
いやずっと面白かったんだろうけど、ここ最近はその面白さに気付けている感じです。
今クールのドラマも三本ぐらい観てます。
続きどうなるのよ?って一週間待つのがイイですね。
そんなの当たり前だったのに。それがいつの間にか当たり前になくなっちゃって、床屋のおっさんとしては便利も考えものだぜ〜だなんて嘆息しております。
あ、そろそろ終わりにせねば。
妻さんとのコーヒータイムなもんで。
毎晩の楽しみなんです。
それでは股旅。
あ、今夜のBGMは、The Cats & The Fiddle でした。
最高です。

薄毛をポジティブに

おはようございます。
台風名残の強風吹きすさぶ定休日。
相変わらず、私は何処かにオオカマキリはいないかしらんと彼方此方に目を走らせています。
先日いらっしゃったお客さんの友人の方が

「どうにも日本では薄毛がネガティブに捉えられがちだ。
そこをどうにかしたい。
薄毛を前向きに受け入れられるようにしたい。
そのためにはどうすればイイのか!はたして!?」

ってなことを真剣に考えてて、床屋さんはどう考えているのかを知りたいと言ってたそうなので、私なりの意見を述べました。
確かにこのジャパンって国は、ハゲを後ろ向きに捉えている向きがあると思います。
薄毛を隠そう、薄毛を直そうぜってことばかりで、薄毛を受け入れてカッコよくしようぜってのがない。
よく飲み屋などで
「お金かけようにもこれだからどうしようもないっしょ!テヘペロ!」
などと自嘲気味に薄くなった頭を指差す、だらしない髪型をしたオッサンがいて、私はそれをヘラヘラと聞き流しているのですが、
「いやむしろ貴男のような方こそ髪型に気を配るべきだし、マメにカットすべきですよ!」
ってのが正直な気持ちなのです。
絶対その方がカッコイイですよ。
日本の政治家さんたちも、なんかこうダラシない髪型の方々が多いように見受けられます。
そこ、ちゃんとしてこうぜって心底思います。
まずは身だしなみからじゃないかと。
世のお父さん方もね、服装にも髪型にもちゃんと気を使っていたら、お子さんたちから一目置かれると思うんです。
どうでもイイし〜だなんて思ってたら、軽く見られても仕方ないんじゃないかと。
お金をかけるってことじゃないんです。
スタイルの良し悪し、顔の造形の良し悪しも関係なし。
気をかけるってのが大切なんです。
さすればね、いろいろと後から付いてくるもんなんです。
まずは気をかけること。
これを始められれば大丈夫。
理容って仕事は、そのお手伝いが出来ます。
薄毛だろうと、肥満気味だろうと、胴長短足だろうと、顔が大きかろうと、髪を小綺麗にカッコよくコンスタントにカットする習慣を身につければ、このジャパンにもカッコイイお父さんが溢れ始めるんじゃないかと。
そんな夢を抱いてもイイんじゃないかと。
などと話がまた行方不明になって来たので、そろそろ去ります。
股旅。

たった一つ出来る親孝行

開店前、父の髪を切りに実家まで行ってきた。
齢八十を過ぎているので、もしかしたらこれが最後かも……
って思いで、いつもカット後に写真を撮っている。
今回は笑顔を要求した。
苦虫を噛み潰したような顔って形容が実に似合う父ではあったが、近頃はおっとり穏やかな好々爺へと変貌。
仏さんのような微笑みを魅せてくれちゃって、少しだけ、ほんのちょっとだけグッと来た。
会話も必要最低限。
あれだけ鬱陶しかった説教ももうない。
そうそう。
父は来月、生まれ故郷に行くらしい。
叔父さん(父の兄さん、父は四男坊で連れて行ってくれるのは長男。)も付き添ってくれるそうだ。
以前「最近はよく子供の頃を思い出すんだ……海とか川とか山とか学校とかさ……」だなんて呟く父に「僕が連れてってあげるよ!」だなんて大見得を切った自分が恥ずかしいが、ともあれ良かった。
今度髪を切るときに「どうだった?」と訊いてみよう。

四歳半の息子は相変わらず虫に夢中だ。
今朝も幼稚園の行きがけに「オオカマキリを捕まえといて!オスメス一匹ずつね!」とミッションを与えられたのだが、空き時間に探してみたが見つからなかった。
カマキリっつーのは探しても見つからない。
ふとした瞬間に目の前にいきなり現れるのである。
ひょっとしたら人の欲望を察知出来るのかもしんまい。
虫の生態から、人生が垣間見えるときがある。
これって一体なんなのだろうか。

僕は相変わらず音楽に夢中だ。
いい加減そろそろ「音楽大好き宣言」をしても良いんじゃないかと思えてきた。
趣味は音楽鑑賞と云っても過言ではない領域に突入したと自負してもいいんじゃないかと思えるようになってきた。

趣味への無関心、他人に否定的になるっつーのは鬱の症状の一つらしいが、本を読めない、映画を観られない時期ってのはあるが、音楽を聴きたくなくなったことはこの四十六年間の人生で一度もない。
僕がもし音楽を聴けなくなったら……そのときはピンチだな。
さあて。
毎年恒例のんびりモードの九月十月もやっと終了。
これからガシガシ忙しくなって欲しい。

そうそう。
土日のご予約はお早めに。
特に午前をご希望の方は、一週間早く予約を入れてくださっても良いぐらいかと。
生意気&僭越ながら、当日いきなりとなるとご希望に添えないことが多くなってきました。
無理矢理詰め込んでも、お客さんにとっても僕にとってもいいこと一つもありませんので、是非お早めにご連絡ください!
それでは股旅。