その熱量に用がある

どうもこんばんは。
僭越ながら明日から三日間夏季休業をいただこうと企んでいる DOODLIN’ BARBER SHOP 店主です。
木曜日から華麗に営業再開いたしますので、どうぞご贔屓に。
さっき、録画しておいたドラマ『ハロー張りネズミ』を観ていたのですが、どうやらこのドラマ視聴率がかなり低いらしいですね。
こんなに作り手の熱量を感じるドラマってなかなかないと思うのですが、そんな良質なドラマの視聴率が低いってのが、なんだか最高だぜ!
とほくそ笑んでしまいました。
と同時に、いつになっても世の中そんなもんだな……と苦笑いもしました。
自分の好きなものが人気あるのも嬉しいし、人気がないのも嬉しい。
なんなんでしょうね、この感情。
不思議なもんです。
今回の写真は、当店のトイレの便座に座った姿勢から見た壁を撮ったものです。
映画の劇中で使用されたクルマを描いたポストカードを並べてあるのですが、これかなり僕のお気に入りなのです。
ちょいちょいトイレに入ったお客さんたちから反応もあったりして嬉しいです。

 

クルマが生かされている作品ってイイですよね。
前述のドラマ『ハロー張りネズミ』でも主人公が乗っているクルマがTOYOTA のスプリンターカリブの初代モデルで、そのナイスチョイスっぷりに嘆息が止まらないわけです。
絶妙ですよね。
僕が監督だったら、なんかこうもっと古い車を選んでしまいそうで、「どう?こんなクルマ選んじゃう俺のセンス?」ってのがムキムキに丸出しで吐き気がしますね。
登場人物が乗っているクルマの車種で、その人物の奥行きが一気に広がる感じにグッと来まくるわけです。
ロマンティックが止まらなくなるわけです。
そんなドラマ作りが出来ている大根仁監督が羨ましいのです。

 

それではそろそろ寝ます。
おっと、その前にさっき録画した『NHK スペシャル 東京ブラックホール』を観ようかしら。
これまた作り手の熱量がビッシビシ伝わってくる作品です。
さすがですね、NHK。
毎月の受信料以上のものを届けてくれているなと感じます。
これからも良質な番組をヨロシクです。
股旅。

手の平に乗る宇宙

どうもこんばんは。

つい先日、ぶらりと本屋に行ったのですが、やはり面白いですね、本屋。
ネットだと目的のものが既にあって、それに向かってただただ一直線って感じですけども、実際に店まで足を運ぶと全方位から「お〜い!ここここ!ここだよ!」と肩をバシバシ叩かれる感じがあって、そういう出会いがたまらなく面白い。
本屋に行ったとき、よく叩いてくるのが図鑑で、当初は息子のためにと図鑑コーナーに足を運んでいたのですが、近頃は完全無欠に自分のためって感じになって来ていることはココだけの話です。
中でも、特に僕のハートを鷲掴みにしているのは『危険生物図鑑』で、あれは凄まじい魅力とオーラに満ち溢れていやがります。
今風に云うならば激ヤバです。
立ち読みしているだけで動悸息切れがしてきます。
『深海生物図鑑』『古代文明図鑑』もヤバいですね。
本屋も心得たもので、立ち読み用の見本を置いているんです。
ペラペラとめくっただけで、目は釘付けですよ。
それと同時に、四十路半ばにもなってもあまりに無知な自分に愕然とさせられるのです。
相変わらず無知は恐怖なわけです。
無知と云えば、Melvin Sparks。
音楽通に言わせれば、知らないの?嘘だろ?ってなぐらいに有名なファンキー・ギタリスト。
恥ずかしながら僕は知りませんでした。
そして、その音は僕の全身のツボを北斗百烈拳で打ち抜いたのです。
僕が大好きな The New Mastersounds と云うイギリスのジャズ・ファンクバンドがあって、こんなオリジナリティ溢れる音を奏でる若者がいるのか!
と瞠目しまくっていたのですが、Melvin Sparks を一聴してみて驚いた。
これはもう影響を受けているどころの騒ぎじゃないわけです。
Melvin Sparks を流されて「これ The New Mastersounds の新譜だから!」と言われたら完全に信じますね。
「パクりだ!」だなんて品のない物言いをする気はございません。
それより何より、自分が「スゲ〜!」と思っていたものにも、ちゃんとルーツがあったんだなってことに驚きと喜びで胸がいっぱいになるのです。
そして多分、Melvin Sparks の紡ぎ出す音も、どこかの誰かの影響を受けているはずなんです。
そんなことを考え出したらもう『宇宙』を感じて来ちゃうのです。
ほら、今ここにも無限大の宇宙があったよ。
僕の目の前に、手のひらに乗るような宇宙があったよ。
そんな気分になるのです。
深夜に書いているので、話が行方不明になって来たようです。
そろそろ寝るとします。
おやすみなさい。

ロマンチックでキラッとキザで

福生のRAZZLE DAZZLE の大塚さんに革張替えをお願いしていた十数年愛用しているカウンタースツールが本日納品されました。
二年前、現店舗への移転時にカット椅子の張替えもお願いしたので、その仕上がりには一点の不安もございませんでしたが、仕上がったスツールを目の前にしたら、想像を遥かに超えた出来で嘆息とロマンティックが止まらなかったのでした。
大塚さん!
いつも存分なイイ仕事ありがとうございます!
十数年愛用したと言いながらも、このスツールの詳細を全く知らなかった恥かし過ぎる私ですが、どうやらこれ、1976年US製だそうです。

大塚さん曰く
「綺麗にビシッと仕上げてしまうと侘び寂び感の無いモノになってしまうので、生きていた中のウレタンは補正だけして座り心地にも旧さを残し、パイピング太めで表皮を作りました。
張るテンションもやや緩め。良い加減でおさまりました……」
とのこと。
痒いところに手が届きまくりのその仕事具合に尊敬の念が止まりません。
そんなとき、脳の奥底から静かに再生されたのが、 THE HIGH-LOWS の『パンチョリーナ』だったのは言うまでもありません。

♪古い単車のエンブレム ロマンチックでキラッとキザで……♪

そんな気分にならざるを得ないのでした。
ロマンチックでキラッとキザで……
僕はそういう物事が好きで好きでしょうがありません。
レコードなんかもそうですね。
クルマ、バイクに限らず、自転車もそう。
老眼鏡もそう。
スニーカーもTシャツもそう。
うどんもそう。
仕事道具も、帽子も、いっぱいいろいろがロマンチックでキラッとキザで
カッコイイ。
そんなの全然ロマンチックでもキラッとキザでもないぜ!
誰かにそう言われようとも全然オッケーです。
自分がそう思えて大好きだったら、それでも全然構わないです。
さてと。
そろそろ寝ますかね。
おやすみなさい。
股旅。

本読みたい

今朝、五時に息子に叩き起こされ、いつもの雑木林に向かった。
狙いはもちろんクワガタ&カブトムシである。
その道すがら、ぼんやりと「この辺に住む人たちはネットがまだない頃は本一つ買うのも大変だったろうなぁ」だなんて考えた。
それってちょっとキツいよなぁと思ったんだったんだった。

ノコギリクワガタとコクワガタのオスをそれぞれ一匹ずつゲットし、それからコンビニに立ち寄った。
雑誌売り場をざっと眺めた瞬間、目に飛び込んで来たのは『POPEYE』だった。
だって表紙にドンと「君の街から本屋が消えたら大変だ!」なんて書いてあるんだもの。
ほんのちょっと前に自分がぼんやり考えていたこととあまりにリンクするので、これは買わねばなとレジへと持って行ったんだった。

常々、僕は街が街として文化的に成り立つためには本屋とレコード屋が必要だって思いがあって、でも今となってはドンドン減っていくばかりで、街が味気ないものになって来てるよね〜だなんて痛感していたんだった。
でも、この『POPEYE』の特集で、日本各地にまだまだ魅力ある本屋があると知りホッと尻を撫で下ろしたんだった。

イカした本屋がある街にはイカしたレコード屋もあるもんである。多分だけど。
一応、言っておくが、この『レコード屋』ってのはレコードだけしか売ってないって店ではなく、CDだけしか売ってない店でも、僕的にはレコード屋と呼ばせていただいている。
だってほら『CD屋』ってなんだか響きが寂しいじゃないですか。
ダメですか?

そんなわけで、こんな特集を組んでくれる雑誌があることに感謝感謝なのである。
ところで、何方かうちの近くに素敵な本屋、レコード屋を開いていただけませんかね?
僕、通いますんで。

新調した老眼鏡が良い塩梅なのである。
つけ心地も良いし、気分も良い。
もちろん字もよく見えるし。
良い良い尽くしなのである。
(選んでくれた妻に感謝!)

でも実は、最近そんなに本を読めてない。
ついでに、実は映画もそんなに観られてない。
なぜなら、近頃テレビが面白いから。
面白い番組を録画しといて、それを観こなすのに精一杯だから。
まあ、それはそれで結構充実している。
読書ブームは、またすぐにやって来る。
今こうやって、こう書いているうちにも本を読みたくなっているから。

あ、一昨日映画を映画館に観に行きました。
なんと五年ぶり。
我が人生を振り返っても、五年間映画館に行かなかったのは初めてだ。
久々の映画館はやはり良かった。
これから、ちょっと映画館での映画鑑賞をクセにしたいもんである。
ちなみに観たのは『カーズ/クロスロード』。
最高だった。
五年ぶりに映画館で観るにふさわしい傑作だったと思う。

四歳四ヶ月の息子に上映時間二時間を耐えることが出来るかってのも大きな難題だったが、どうにかクリア。
これから、家族三人で映画館に行く機会を増やせたらなと思う。
だって、それってほら。
凄く幸福感溢れる感じじゃないですか。

さてと。
いつも通り、支離滅裂な日記になって来たので、そろそろ撤退します。

おやすみなさい。

DOODLIN’ BARBER SHOP 店主 高崎哲平

父を憶う朝

おはようございます。
早朝五時台に目覚めてしまった朝。
二度寝するかしないか一瞬迷い、のそのそと起き出すのです。
そして、ぶらぶらと近所を散歩。
すると決まって、今の自分の年齢ってのがズシンと重く伸し掛かってくるのはナゼだろう。
四十六歳。
気づけば、こんな年齢になっていた。
父が四十六歳のときはどうだったろう。
私は三男坊で、その頃は小学三年生。
兄たちは、高校生と中学生だ。

凄いな……

絶句してしまう。
会社が休みの日は何処かへ連れて行ってくれた。
遠出しない日は本好きの父は駅前の本屋へと行く。
私は、その本屋の隣のおもちゃ屋が目当てで一緒に連れてってとせがんだものだった。

酒は浴びるほど飲むが、外へ飲みに行くことはなかった父。
若い頃はヘビースモーカーだったらしいが、長兄が生まれてピタリとやめたらしい。
会社帰りにプールに行き、ひたすら泳ぎ、そういえば休日の午前はテニスを楽しんでいた。
でも、楽しみといえばそれぐらい。
残りの時間は家族に費やしてくれていたのだな……と、自分がこの年齢になってやっとわかった。

四十六歳で、家を建て、三人の息子を養っていた父……

心の底から尊敬します。

私の相棒であるバーバーチェアー。
1964年製とあるから、53歳ってことか。
1964年と云えば、前回の東京オリンピックの開催年か。
数え切れない人が、この椅子で髪を切られたってことか。
そのうちの十三年が私のお客さんを切ったことになるのか……
スペクタクルだな。
これからもヨロシク。

なんてことをぼんやり考えながら、四十六歳の私はカブトムシとクワガタの飼育箱を掃除している。
BGMは Gregory Alan Isakov の「That Sea, The Gambler」。
近頃、こういうアコースティックギターの優しい響きに心和まされる。