GOOD MUSIC & POSITIVE VIBRATION

お客さんに勧められて聴いてみた The Harlem Hamfats が、すこぶるゴキゲンなのである。
八十年も前のシカゴのジャズバンドの音の何が自分を奮い立たせるのか全然わからないが、ホントはちょっとだけわかってたりもする。
 
音楽ってのは時空を簡単に超えるから素晴らしい。
演奏を録音をした八十年後、この極東の小さな床屋でその音源が流れ、その床屋のガチムチヒゲ主人が「すこぶるいい感じだぜ〜」とゴキゲンになっているとは彼らも夢にも思わないだろう。
 
それにつけても、このバンド名がまた良い。
The Harlem Hamfats のハムファッツとは「黒人」ないし「凡庸な人(特にジャズ・ミュージシャン)」を意味する俗語らしい。
「2流の」とか「貧弱な代用品」って意味合いでも使われてたそうだ。
 
「HAMFATS BARBER SHOP」
なんだか良い響きだ。
店名をどうするか思案していた頃、もしこのバンドに出会っていたら、間違いなく最終候補に残っていただろう。
でも、それでも最終的には「DOODLIN’」に完敗していただろうけども、この名前は良い。
飲み屋とか雑貨屋、レコード屋などの店名でもいい感じにフィットしそうだ。
 
私は、何かとこういうジャズ的と云うか、黒人文化の相通じるキーワードに惹かれるのだが、だからと言って、全部が全部黒人文化の匂いプンプンのライフスタイルを貫いたりはしていない。
白人文化にも黄色人種の文化にも魅力的なものがたくさんあって、なんだかんだそれぞれが綯交ぜになってしまっている。
それが、ちょっと前まではほんの少しコンプレックスでもあった。
 
徹底度が低いと云うか、節操がないと云うか、軽薄短小と云うかね。
なんかこう、ビシッと筋が通って貫いている人や物事を見ると、ダメだよな〜と落ち込んだりもした。
 
それがここ最近「でもまあそれが自分だっつーことで!」と良質な開き直りに転じることが出来た。
黒人音楽ばかり流すような店に見せかけて、カントリーも、クラシックも、UKロック、シャンソン、渋谷系すら流す。
これでイイじゃない。
そうやって生きてきたのだ。
生きざまそのものがオルタナティブなのである。
ここで無理して軌道修正することもあるまい。
 
なんでもあり。
いや、ホントは全然なんでもありではなくて、自分的にはこだわりもあるんだけど、はたから見たら「なんでもありだね〜節操ないね〜」と揶揄されようとも、自分の中でちゃんとしたケジメがなされているのならば、いいんじゃないかと。
そう考えるようにする。
 
ココまで書いて気がついた。
今回の日記は、まさに当店のコンセプト『GOOD MUSIC & POSITIVE VIBRATION』な内容だってことを。
 
うむ。
イイ感じだ。
良し良しだ。

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