ちょっとは誇りに思おう

以前にも書いたかもなのだが、私は Toots & the Maytals の “Funky Kingston ” が、その音はもちろん、ジャケットの醸し出すムードが大好きで、こんな音使い & こんな色合いの人生を過ごせたら本望だよな……とこのアルバムと出会ってから十数年ずっとそう思い焦がれているのである。

「ふ〜ん、で、それってどんな人生?」と賢い貴方に訊かれたら、貴方を満足させる言葉は全然出てこないのだけれども、そんなの別にイイじゃない。自分がそう思い込んでいるんだから、それでイイじゃない。

かつての自分だったら、ココでそういう疑問を投げかけてくる相手を納得させるにはどうしたらイイべかな……む〜ん……と本域で思案したもんだったが、年を幾分重ねて図々しくなったのか、今となっては「別にイイじゃない!ファファ〜ン!」と開き直れるようになった。

何がどうなってそうなったのか、コレもまた全然説明できないのだけれども、それもまたイイじゃない!

リリー・フランキーさんがインタビューで

「美大生は、美大以外の大学で得られるものとは違う、もっと美しいもの、もっと豊かなものを得るために美大へ入ったはず。そこで得られるものは社会の一般的なものさしで戦っていくには弱い刀かもしれないけど、美大生にしか持てない刀のはずなんです。だから、それにもっと誇りをもってほしいと思うんですよ……」

と言ってくれてて、なんだかしみじみしてしまった。この “しみじみ” は喜びを伴うものね。“しみじみ” にもいろいろあるのよ。

ほんわかと美大生の端くれであると密かに自分では思っている自分にとっては、とても励まされる言葉だった。

一般社会では全く歯が立たないし役に立たないし、なまくら刀かもだけど、それは持っているよな、確かに。うん、持ってる。

その刀で、自分と店を作ったのかもな。

ちょっとは誇りに思おう。

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