それは憧れの世界

音楽喫茶MOJO 店主の昭太郎さんに勧められて観始めたアニメ『映像研には手を出すな』が面白い。
ちょうど良いタイミングで、第一話から四話までを一挙放送してくれたので、それを一気に観た。

正直、女子高生たちのアニメ制作活動を描いた物語だと聞いたときは身構えた。
いわゆる「萌え」的な感じなんじゃないかと。
片寄ったオタク的世界観なんじゃないかと。

でも全然違った。
情熱と若さがほとばしる青春物語だった。
こういう学園では日陰者的扱いされてきた文化部の方々に光を与えた物語が増えてきたのは喜ばしいこと。
私が十代の頃には、ほとんどなかったもんな。

私の青春時代に、この『映像研には手を出すな』や、全巻揃えてしまった漫画『BLUE GIANT』(世界一のジャズサックスプレーヤーを目指す物語)や『ブルーピリオド』(東京藝大を目指す物語)みたいな作品と出会えてたら、影響受けまくってもしかしたら私の人生が変わっていたんじゃないかしらと……
とかそんな妄想をするのが猛烈に楽しい。

私は中学、高校、大学とさりげなくサッカー部に所属していたのだが、実際は根っからの文化部気質。
ただ、その道を行き極めるなんてのは夢物語だったわけで、だから、その夢物語の中を直走るこれらの作品の登場人物たちが羨ましくてしょうがない。
『表現』をすることに向き合い立ち向かう。
それは『自分』とは何者なのかを探究し続けること。
それは私の憧れの世界なのだ。

と同時に勉強にもなるのよね。
アニメ、ジャズ、絵画、どれもなんとなく知ってはいたが、やっぱりハンパなく奥深いのだなと教えてくれるのだ。
物語に乗っかりつつ、その専門的分野にグイグイ入っていける。
必殺技なんてもちろんなくてさ。
天才も描かれていれば、努力の人も描かれていてさ。
それが、自分の周囲の「本当」だなってさ。
天才まで行かなくても、「華があるかないか」ってのがキモだよなってさ。

まぁつまり、こういう作品に、もっともっと触れたいなと思うのだ。
『映像研に手を出すな』の今後の展開が楽しみ。
実写化もするらしいけど、それには興味なし。
アニメで、あそこまでやるから面白いのだ。

なんだか話が行方不明になってきたので撤退するとしよう。

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