ココまで来た

「どうも近頃、若者のお客さんが増えてきているな……」

と感じるのです。ヘタしたら、いやヘタしなくても息子と言えるような年齢、十代後半から二十代前半のヤングマンたちが連日来店してくれているのです。

なんかこう、これからは同年代のお客さんたちと一緒に歳を重ねていくんだろうなと漠然と予想していたのですが、どうやらこの予想は外れたようだ。同年代の方々と時代と空気の流れを共有しながら、あの頃はああだったよね〜なんて話をしながら、最近の若いもんは……なんてボヤいたり、体の節々が痛いんだよな〜なんて慰めあったりするようなイメージだったのです。

ヤングマンたちは何を求めて、DOODLIN’ BARBER SHOP を訪れるのだろうか……

私はこう考えました。

親とも違う、今まで出会った先生たちとも違う、会社の上司とも違う、なんかちょっと変な床屋のオッサンの一風変わった考え方、人生観、物ごとに対するアプローチのし方、距離の取り方、それらに興味を持って来てくれているんじゃないか?

だから、そんな変な床屋のオッサンっぽい立ち居振る舞いをしなくちゃだな……だなんてしょうもない決意をしていたのですが、ヤングマンたちと接しててハッと気づくわけです。

いやいや、違う違う。全然違うわ。オレが彼らに何かを与えるなんて、とんでもなくおごましい!オレの方が彼らから学ぶことばかりじゃないの!

この結論には、我ながら震えました。と同時に、年齢なんか関係ないよなとも結論しました。僕は僕を、オレはオレを、私は私を突き詰めて行けばイイのだ。この境地がアレだ。

この道を行けばどうなるものか危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし踏み出せばその一足が道となりその一足が道となる迷わず行けよ 行けば分かるさ

まさにコレなんですな。(アントニオ猪木氏によると、これは一休さんの言葉らしいのですが、清沢哲夫さんの詩であるというのが、今のところ定説のようです)

行けばわかる……確かにそうかもしれない。結局、行きやしないってパターンが多いですもんね。今現在の心境も、ココまで来たから分かったんですよ、多分。ともあれ、来たんです。ココまで。

で、ココから、また行くんです。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です