DOODLIN’ はある朝突然に

今朝、店内の壁に飾っていたレコード九枚を全取っ替えいたしました。

先日、テレビを眺めてたら、とあるレコードギャラリーが紹介されてましてね。

そこにディスプレイされているのは、コレクターの方のもので、二ヶ月に一度テーマに沿って膨大なコレクションの中から、その方が選んでいる……なんつーのを観てたらビンビン刺激受けちゃって、「そうだ!オレも替えちゃおう!」となったわけです。
単純なもんで。

五年九ヶ月前、現店舗の開店準備中、僕はウンウン唸り悩んでいたわけです。

どのレコードを壁に飾るか……

僕にとって、僕の店にとっては、とてつもなく重要なことですからね。
ノリや勢いでは決められないですよ。

で、僕は飾るなら中身もちゃんと入れたいわけです。正直、カラーコピーでチャラりんと済ましてもイイわけです。
でも、僕はそれだけはしたくなかったんですね。

表面だけ取り繕って中身がない……それってまさにオレじゃん!

となりたくなかったんです。
ほら、巨匠 小津安二郎監督も、画面に映らない引き出しの中でさえも、ちゃんと本物を揃えさせたって言うじゃないですか。

結局、ニセモノはバレちゃうってことなんですよ。
僕はバレたくないから、ちゃんとレコードを入れたかったのです。

そうなると、そのレコードはもう聴けない。
でも、自分の店の方向性を示すものだから、適当なものは絶対選べないし、映えるジャケットでないとダメだし、バランスもあるし、その上、当たり前ですが自分が大好きなアルバムでなくてはならないし、そのアルバムについて三十分は語れなくてはならないのです。

そんな意思と決意の元に選んだ九枚だったのです。
それを交換する日が来るなんて微塵も考えてませんでした。

でもね。
そんな日が来ましたね、突然。
あの日の決意なんてプイッと吹き飛んだかのようにササっとレコード選びましたよ。
そして三十分ほどで交換完了いたしました。

店の眺めが変わりましたね。
正直違和感ありまくりです。
店の主張も変わりましたよ。

でも、これでイイんです。これがイイんです。
前のラインナップは完璧でした。
その思いは変わらないです。

で、今回選んだ九枚。
これは二ヶ月毎にってわけにはいかないけど、半年にいっぺんくらいは替えて行こうかと考えてます。
テーマがあるときもあるかもだし、ただの気分で選ぶこともあるでしょう。

店にとって、僕にとって大切なことで重要なことであるからこそ、イージーに行くことにしました。
なんかイイ気分です。
一皮剥けた、殻を突き抜けたような気分です。

もしかしたら、お客さんのほとんどの方にとっては些細なことで、気にも止められないことだろうけども、だからこそ、それがイイ。

こういう自己満足が世界に溢れたら、きっとステキな世の中になりますよ。
多分きっと。

どんなレコードに替わったかは御来店時に!

それでは股旅をする。

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